おはようごさいますこんにちはこんばんは、番組プロデューサーのTPこと高橋です。「TPコーポレーション東京X」という変な名前の会社の社長です。2022年8月に「テレビ朝日」というテレビ局から独立して会社を立ち上げて社長になりました、丸2年ですね。

「自宅のエアコンがどのモードにしても熱風が出てくる」という最悪すぎる夏から丸2年です、案外なんとかやっていけてますよ、僕もエアコンも。

今回は弊社が制作しているラジオ番組『板橋ハウスのラジオディア(stand.fm)』初の公開収録イベントを主催したときの話を書きたいと思います。初めて自社でイベントを主催したことで様々な「リスク」と向き合いました。胃がキリキリする思いをたくさんしたので皆様にそのキリキリをお裾分けします。

主催が考えなければいけないキャパのリスク

「板橋ハウス」とは、吉本興業に所属する芸人、めぞん吉野くん・ピュート竹内くん・軟水つるまるくんの3人組で、2020年10月から板橋区某所でルームシェアをしている芸人です。

活動開始当初から話題を集め、YouTubeチャンネル登録者数は69万人超(2024年8月現在)、TikTokフォロワーも約70万人、私の娘ですら知っている人気者です。彼らのラジオ番組を縁あって弊社が担当することになり、番組にはつきものである「公開収録イベント」を2024年1月4日に「板橋区立文化会館大ホール」という場所で実施したんです。

「板橋区立文化会館大ホール」は、最大キャパ1200人超えの会場である。僕は初回なので同じ施設の「小ホール(300人キャパ)」を予約するつもりだったのだが、弊社の桜井さん(過去回「社員を雇うということ」を参照)が間違えて「大ホール」を予約してきてしまった。

桜井さんいわく「板橋ハウスの人気なら大丈夫でしゅ」とのことだった。まぁそれもそうか……キャンセルもできなくはなかったが、なんか面白そうなので「大」のままいくことにした。

1200人キャパというのは、番組初の公開収録としてはかなり強気な数字だ。この番組のリスナーが、リアルイベントに参戦するアクティブなリスナーなのかどうかが全く分からずに不安だった。

蓋を開けてみればチケットは完売したのだが、ホールを予約した8月からチケット販売をした11月までずっと気が気じゃなかった。ほぼ当てずっぽうで決めたキャパが、集客と見合っていたからよかったものの、見当違いだったら大赤字になっていたところだった。

逆に300人キャパで実施していたら、少なくとも900人は「来たくても来られない」リスナーが生まれるところだったので、それはそれでリスクがあったなと思った。

▲必死にリハーサルをする僕と桜井さん

グッズの在庫を抱える恐怖

イベントに欠かせないものといえば「グッズ」だ。グッズに関してもデザイン制作から発注、オーダーシートの作成まで全て自社で行った。

どの商品がいくらでどれくらい売れるのか、他番組のグッズをさまざま参考にしたけど全く自信がなかった。多めに作って余らせて困るか、少なめに作って売り切れて文句言われて困るか……どちらに進んでも地獄だなと思ってやっていた。

結果、多めに作りすぎて困ることとなった。特にTシャツ、余った余った。そりゃ冬だし単価高いしあんまり買わないか。終わってからの理由付けはいくらだってできる。

イベントが終わってから吉本興業様のお力で「店頭&オンライン販売」ができることになったので在庫をほぼなくすことができてよかったのだが、在庫の入った段ボール10箱を眺めて途方に暮れる時間があった。

当たり前だけど「大きい商品はかさばる」ということを認識した。

この在庫を職場に置いておくのはしんどいということで、生まれて初めて「トランクルーム」を調べた。小学校の掃除ロッカーくらいの広さのトランクルームでも月に2万円くらいすることがわかった。東京は家賃だけじゃなくトランクルームも高い。モノは置いておくだけでお金がかかる。

▲リハ中の僕。着ているのは「ラジオディア」グッズのシャツ