自分がZ世代だとは知りませんでした(笑)

――生田さんが演じる笹岡りおは、感情豊かなキャラクターですが、演じるうえでどのようなことを意識されましたか?

生田:自分自身の本音によく耳を傾けることを意識したかな。りおは自分の感情に素直な子で、すぐに愚痴を吐いちゃったり、笑顔だけど実はしんどい思いを抱えていたりと、人間らしい面をすごく持っているんです。私はそういった感情を胸の内に隠してしまうところがあるので、まずは自分自身が制限をかけないようにすることで、りおに近づけていきました。

 

――りおとの共通点でいうと何かありますか?

生田:予告編で「先生だって人間だ」というセリフがあるんですけど、私もこの仕事をしながらよく思うことなので共感しました。たとえば、ステージに立ったり、カメラの前に立ったり、歌ったりとかするときに、自分の中で気持ちを鼓舞しながら、精一杯立っているんですけど、それを「全然緊張してないね」みたいなことを言われたりすると、「いやいや」って反発したくなるんです(笑)。

あとは、不思議と今までお芝居としては、りおみたいな感情を表に出したことはなかったんですけど、現場の方から「こっちが素なんじゃないの?」って言われることが多くて(笑)。実際にりおを演じてみると意外としっくりきたので、自分でも驚きました。

――でも、生田さんは以前から表情が豊かな方でしたよね。

生田:そうなんですよね(笑)。もちろん、お仕事は一生懸命やるし、理想に向けて頑張ってはいるんですけど、どうしても困難にぶつかってしまったときに、帰りの車の中でマネージャーさんに向けて、2~3時間ぐらい勝手に1人で感情をぶつけることがあるんです。マネージャーさんは仏のような顔で聞いてくれるので、ついつい話してしまって。そういうところは、りおも愚痴をバーって言うシーンがあるので、似ているなと思いました。

――とはいえ、生田さんの知られざる表情が見られそうですね。

生田:そうですね、今まで見せたことない一面を、この作品に引き出してもらっている感覚があります。

 

――りおを演じるうえで大変だったことはありますか?

生田:りおってポジティブな方向に対しても、ネガティブな方向に対しても、感情を放出するタイプなんですけど、感情を吐き出すシーンのときに、自分の中でりおの感情に合わせることができなくて、6時間くらい同じシーンをトライさせてもらったことがありました。

葉山(奨之)さんや桐山(漣※)さんと一緒のシーンだったんですけど、お二人とも役者として、その気持ちがわかると声をかけてくださったお陰で、ちゃんと向き合うことができましたね。その日は孤独になりそうな瞬間がたくさんあったんですけど、現場の皆さんからの温かみを感じられて、すごく印象的な1日になりました。

※「漣」のしんにょうは点1つ

――りおはZ世代の若手高校教師でもあります。生田さんは同世代を実際に生きていますが、ご自身でZ世代だなと思う瞬間はありますか?

生田:それでいうと、私、自分がZ世代って知らなくて、Z世代って自分より下だとばかり思ってたんですよ。ネットで「Z世代とは?」って調べて、初めて自分もZ世代に入っていることに気づいたので、自分のどの性格や行動が当てはまっているのか意識したことはないかもしれないです。

でも、ドラマのなかで昭和世代の先生が昔はこうだったんだよとか、今の世代はみたいに言ってるシーンとかはあるので、そういう上の世代の方からの話を聞くと、私たちの価値観とは違うなとは思います。私は自分の個性を大切にしたいなと思っているので。でも、もしかしたら、周りにとらわれずにとか、あなたはそう思うかもしれないけど私はこう思います、みたいなマインド自体がZ世代なのかもしれないですね(笑)。