腸は人体最強の防衛軍である

病原体にとってほどよい温度や水分を持ったヒトのカラダは、生きながらえ増殖するには最高の環境です。特に微小なウイルスは、単体では生きられず、他者の細胞の遺伝子を利用しなければ増殖できません。

風邪やはしか、風疹、インフルエンザなどの感染症はすべてウイルスや細菌などの病原体が原因です。これらを免疫システムが殺傷、排除することで病気を防いでいます。

大切なカラダを守るため、外からの「侵入者(病原体)= 外敵」は、即刻退治しなければならないのです。

腸は人体最強の防衛軍である イメージ:PIXTA

病原体が食べ物に混じって口から体内に入ってきた場合、口腔、食道、胃と通過する間 も唾液や酵素や胃酸などが殺菌力を働かせ、病原体を殺そうとしてくれます。そこをなんとかすり抜けた病原体が小腸に到達します。

この外敵を迎え撃つのが、人体最強の防衛軍である免疫細胞軍団です。カラダ全体の免疫細胞の数はなんと1兆個以上! 

先ほども言った通り、腸にはその60〜70 %が集中しています。そして病原体の侵入とともに、これを撃退する戦いを繰り広げます。

腸内に病原体が侵入すると、腸壁内部の免疫細胞が危険を察知して殺菌作用のある物質を分泌させる命令を腸壁の細胞に出します。 腸壁の細胞はその命令を実行して病原体を撃退します。

また、腸壁にはパイエル板というリンパ組織があり、新しい免疫細胞に外敵のことを記 憶させて、次に同じ敵が来たら最適な攻撃で撃退できるよう新人教育する機能まで備わっています。

こうして腸が侵入してくる外敵にいつも備えてくれているので、私たちは毎日大量の食 べ物(異物)を食べてもめったに病気にならず、健康でいられるわけです。