幸せホルモンも腸でつくられる
ヒトが幸せな気持ちや心の落ち着きを感じているとき、脳内ではさまざまなホルモンが分泌されています。有名なところでは「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやドーパミンがあります。
これらのホルモンは嬉しいとき、楽しいときに分泌され、やる気を高めたり、心の平穏を助けたりしていることがよく知られています。 なかでもセロトニンは、不足するとうつ病を発症すると言われており、ストレス社会に生きる現代人にとっては特に重要な物質です。
最近の研究では、セロトニンはなんと全体の90%が腸管でつくられていることが明らかになりました。ちなみに残りの10%の内訳は、血液中の血小板が8%、脳内の神経が2%です。 セロトニンは腸内でトリプトファンというアミノ酸から合成されるのですが、そこでも腸内細菌が関わっています。
腸でのセロトニンは蠕動(ぜんどう)運動を促す働きをしています。同じセロトニンが、脳では精神 を高揚させ幸福感を誘うのですから不思議ですね。 なにより不思議なのは、そのように心の状態を左右するセロトニンが腸でつくられているという事実です。
つくづく腸とは偉大なものだと思います。でもその偉大な力を発揮するためには、腸がきれいで、健康でなければなりません。腸が健康な人は全身が健康で、若々しくはつらつとしています。
快食・快便で栄養状態が良く、お肌もプリプリしています。栄養状態が良いのでお肌の 新陳代謝がよく、シミやシワもできにくいのです。もちろん肥満にはなりません。腸によって栄養が脳まで十分送り届けられれば、幸福ホルモンも十分つくられ、笑顔で生き生きしていられます。
では反対に腸の健康管理をおろそかにしてしまったり、腸を汚したりしてしまうとどのようなことが起こるのでしょうか。
はっきり言って、現代人はかなり腸が汚れやすくなる環境で生きています。腸のことを普段から意識して生活していないと、腸はすぐに汚れてしまうのです。