昨年末から日本での活動を再開し、意欲的に様々な番組などに出演をしている知英。俳優としての活動にますます期待が高まる彼女だが、今どんな想いで仕事と向き合っているのだろうか。

日本と韓国、それぞれの仕事の違いや、二国間を行き来する生活について、また自身の心境の変化など、たっぷりと話を伺った。

 

ファンの応援に力をもらった

――去年から日本での活動を本格的に再開されましたよね。どうですか?

知英:まず、ファンの皆さんがすごく歓迎してくれて、おかえりと言ってくださるので、それが力になっています。結構離れていた時間が長かったので不安ももちろんありましたけど、ファンの皆さんのおかげで、本当に頑張ろうと思えましたし、楽しくやっていけたというか、応援が力になりましたね。

――ファンの方の声は、SNSなどで届くことが多いですか?

知英:そうですね。SNSもそうですし。手紙もいただきます。そこにいろんな応援の言葉がたくさん書いてあって、とても嬉しいですね。

――お手紙が届くのは嬉しいですね。知英さんは、日本のバラエティ番組などにも出演されていますが、セリフとは違う、その場の会話を日本語で話すというのが大変なのではないかなと感じます。実際にバラエティ番組の収録はいかがですか?

知英:前は、結構早口で話されるとわからなかった時期もあったんですけど、その時期は越えられたかなと思っています。この数年、日本語は長く使っていなかったのですが、不思議と忘れていなくて。でも、バラエティって、会話が早いじゃないですか。皆さんのやり取りも、話の内容もコロコロ変わるから、それについていくのは今も簡単ではないですね。

――でも、こうやってインタビューをさせていただきながら、知英さんが韓国の方だと忘れるくらい、自然な日本語を話されているなと感じます。

知英:いえいえいえ、ありがとうございます。

――俳優としてのお話もお伺いしたいのですが、日本の作品も韓国の作品もこれまでたくさん出演されていらっしゃいますが、お芝居の仕事はお好きですか?

 

知英:そうですね。やっぱり歌うのとまた違って、演じるのは普段とは違う自分になれるっていうのが、魅力的な仕事だなと感じます。セリフひとつで役の感情を埋めていくということ、キャラクターを表現していくというのがすごいなって思います。

それが見てくださる方の勇気になったり、癒しになったりすることが、素敵な仕事だなって思うんですよね。ドラマや映画を見て、勇気をもらったり、涙したりするって、すごいことなんじゃないかなって。その作品の中に自分が入っていることが、光栄というか。そんな仕事ができて嬉しいですね。

――知英さんは、日本語を話す役を演じる時は言葉の大変さももちろんあるとは思いますが、お芝居をする上で大事にしているところはありますか?

知英:私にとっては、日本語は難しいと感じることがもちろんありますが、自分に起きていないことをいかに自分のものにするかというのが、とても大事だと考えていて。例えば、ギターを弾く人だとしたら、ギターの練習もそうですが、その人の背景を考えることが大事だと思います。その役の裏というか、この役はどうしてこういう性格なのかとか、喋り方がこういうふうになるなとか、考えるのが一番大事で大変な作業です。

――役を考えるアプローチみたいなものは、韓国の作品でも、日本の作品でも、同じような気持ちで準備されるんですね。

知英:それは同じだと思います。

――作品のテーマや監督の個性によって演じ方の違いはあると思いますが、韓国と日本で、演じる時にここは違うなと感じるところはありますか?

知英:文化の違いはあるので、全く同じではないとは思うんですけど、私が今までやってみて、ちょっと違うなと思ったのは、涙を流すシーンです。日本の作品は、綺麗に涙をポロッっと流して、感情を静かに伝えるということが多いと思うのですが、韓国の場合は、泣いたり、叫んだり、表現が強いというか、結構激しいと思います。そこの違いが面白いなと思います。

 

――確かに、そうですね。韓国の作品は情熱的なお芝居が多いですね。知英さんも泣き叫ぶような表現のほうが馴染みがありますか?

知英:そうですね、私はそっちのほうが楽です(笑)。もちろんそういうお芝居が苦手な韓国人俳優さんもいると思います。でも、そういう感情表現が激しいところは韓国らしいという認識はありますよね。

――日本の作品に出演する時に、重要視していることはありますか?

知英:やっぱり発音とイントネーションです。日本人役を演じるとしたら、日本人に見えなきゃいけないので、普段のこういった会話は楽に話すことができますが、台詞となるとちゃんと作ってやらないと、ちょっと油断したらイントネーションが違ったりするので。それは完璧にしておかないとダメだなっていつも思っています。