よし……こうなったら、またもう少しカロリーを減らす!
うん!!

ムリムリムリムリ!! 無理無理無理無理!!
これ以上はマジで無理!! 絶対ムリ!!
身体壊れる。てか死ぬ。
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。これ以上はマジで死ぬ。
ただでさえどんどん仕事する気がなくなってんのに。
もはや遊ぶ気力すらもない。てか人生のやる気すらもない。
QOLだだ下がりなんですよ。
「すみません……! これ以上はもうホント無理です……っ!!」
私は、そんなダイエット愚痴のありったけを、喫茶店で友人のモッちゃんにぶちまけた。
「痩せたい! けど、もうやめたい! でもやめたら、せっかく6キロ痩せたのに誰かさんみたいにリバウンドして元の体型に戻っちゃうんじゃないかって怖くて!」
「それ私のことだな!」
今日は定例となっているモッちゃんと一緒にジムに行く日なのだが、もう、どーーーーしても行く気になれなず、モッちゃんに「お願いですから、今日はただひたすら私のダイエットの愚痴を聞いてくれないだろうか」と、ラインをし、私の家の近所の喫茶店に呼び出したのだ。
愚痴を聞いてくれたモッちゃんは
「んー、私言われた通りにしか食事制限ってしたことないから、よくわかんないんだよなー」
モッちゃんは、今まで2度、パーソナルジムに通うことで6キロ以上のダイエットに成功している(費用は一回30万円)。
そこでは日々の体重の推移や体型を見て、食事の献立を指導してもらっていたらしいのだが、モッちゃんは、言われた通りのことを、言われるがままにこなしていたらしく、体重が止まった時にどうすればいいのか、などは全くわからないらしい。
言われた通りのことを素直にムッチャ頑張れるのが、モッちゃんのめちゃくちゃ良いところだ。が、わからないからこそ、6キロダイエットしてもリバウンドをし、また6キロ痩せても……ということを繰り返している、とも言える。
いや、良いのだ。
停滞の解決を求めてモッちゃんに聞いてもらったわけではない。
ただただ辛すぎて、友人に弱音を吐きたくなっただけなのだ。
それほどに、もはや身も心もボロボロなのだ……。
あー……。もうやめたい……。ほんとダイエットやめたい……。
なんでこんなことしてるんだろう。
いや、全ては、旧ツイッターことXにあんなしょうもない書き込みをしてしまった私が悪いのだが……。
てか、6キロ痩せたしもう良くない?
このウェブエッセイも、「頑張ったけど、結局さすがに10キロは痩せられませんでしたー!」ってオチじゃダメ?
そんなことY編集に伝えたら……怒られる……?
はぁ……。ため息が止まらない。
と、そんなネガティブ全開の私に、モッちゃんは明るく
「と、いうわけで! そんなあんたに 助っ人呼んだから!」
……助っ人?
と、モッちゃんに呼ばれて現れたのは、
デカめの男性。
……いや、誰よ?
しかもその見知らぬデカめの男性は、私の方を、なんだかじーーーーっと、見てくるのだ。
……いや、何よ?
そんな私をじーっと見てくるデカめの男性にモッちゃんが
「何? 緊張してんの?」
「あ、すみません! そういうわけじゃないです!」
いや、まず誰なのかを説明しておくれよモッちゃん。
するとモッちゃんが、
「あ、アツオだよ」
……いや、誰よアツオ。
「僕アツオって名前じゃないんですけどね」
違うんかい!
「あ、私がそう呼んでるだけ。体も話もなんか色々、圧強めだから」
……あ。
思い出した。
「もしかして……モッちゃんのパーソナルトレーナーの?」
「そう! アツオ!」
初めてモッちゃんとジムに行った時に、モッちゃんがトレーナーさんの言葉を色々と教えてくれた。(第12話参照)
どうやらこのデカめの男性は、あの時に話していたトレーナーさんらしい。
「私じゃあんたの悩み解決できないから、助っ人として呼んだんだ」