うん。きっとそんなところだ。

そうだよ。深く考える必要なんてこれっぽっちもなかった。
私が自意識過剰なだけだ! 私の大バカやろう!

てかアツオも気にせず話しかけてくれればよかったのにー。

なんとなく自分の中でスッキリしたところで、モッちゃんとのティータイムも終了。
モッちゃんと別れ、私は自宅へと帰る。

そんな帰り道……。

家の近くまで来たところで、またあの時のように、
なんとなく気配を感じた……。

私は後ろを振り返る。と、そこには……!!

アツオ

の、姿はない。別に誰もいない。

いや、そりゃそうだよ
いるわけないでしょ。もー。

再び私は、前を見て歩き始める。
と、私の前をアツオが歩いている。

!!

アツオだ!!!

アツオが私の前を歩いている!
前を歩くストーカーとか斬新!!

いやいやいや、そんなこと言っている場合ではない。
というか、違う違う。ストーカーとかじゃない。

向こうは私に気がついていない様子だ。
手にはシェイカーを持って、プロテインらしきものを飲んでいる。
プロテイン飲みながらストーカーとか斬新!!

いやいやいや、だから違う違う違う。
今回も偶然、たまたま、図らずも、奇跡的に私の家の近くにいるだけだ。
なぜか私の家の目の前でプロテインを飲んでいるだけだ。
うん。きっと間違いなくたぶん、いや確実にそうだ!

よし、ここは私から話しかけよう。
フツーーーに。ごくごくフツーーーーに話しかけよう。

「あれ〜? アツオじゃ〜ん? うぃす〜! マジ偶然じゃ〜ん! どったの〜?」

的な感じで、ごく普通に話しかけよう。
空想上の私の話しかけ方が確実に普通の私ではないけど、こんな感じで話しかけよう。

と思っていたのだが、次の瞬間、私は思わず身を隠した!

だって、

ア……アツオが……アツオが……

私の家の前でキョロキョロしてるんだもん!!

なぜキョロキョロする!
なぜ私の家の前で誰かを探すようにキョロキョロする! アツオ!!

まさか……私を探して……
いやいやいや! ないないない!! そんなわけな──

「よし。いないな」

今……アツオ……なんて言いました?
「いないな」って、言いました? え? 誰のこと? 誰のことを「いない」と……

アツオはその後……
私の住んでるマンションを見つめて……

無理!! 無理だ!!
現実を受け止めきれないっ!!!

私はその場から逃げ出した。
ひとまず見なかったことにするために。コンビニへ。なんの用もないけどコンビニへ。

……いよいよ、いよいよヤバい!!!

10キロ痩せるまで、あと2.5キロ──

“知識”を身につけた未来のわたしから一言二言

もうアツオからだいぶ知識を与えられてるから、ここで書くことあんまりないんだよなー。

(第23話につづく……2024年5月29日公開予定)

いや、今回こんな終わり方かよ!

※本記事は、WANI BOOKOUTにて公開された記事を再掲載したものです。