『銀河鉄道の夜』と『凍りのくじら』
――ありがとうございます。もし次、朗読に挑戦するとしたら、どんな作品を読んでみたいですか?
豊永:『銀河鉄道の夜』ですね。個人的にはじめて舞台に立たせてもらったのが、小学生のとき『銀河鉄道の夜』のミュージカルだったんです。だから特に思い入れが強くて。子どもの頃特有の、友人に対する想いであるとか、なんでわかってもらえないんだろう、みたいなもどかしさを、大人の自分が表現したらどうなるかなと思っています。
――やはり、本がお好きなんですね。
豊永:学生時代は図書室や図書館によく行っていました。毎作品、買って読むのは辻村深月さんの作品です。
――宮沢賢治の作品と通ずるところがありますよね。
豊永:そうなんです。基本的には本屋さんに行った時は、装丁を見たり、タイトルが気に入ったら買うようにしているんですが、辻村さんの作品は作品同士が繋がっている事が多いので、全部網羅したいなという気持ちがあったんです。辻村さんの作品は『凍りのくじら』を中学生のときにはじめて読んで、今でも大切な人生の1冊なのですが、こんなにも子どもの気持ちを理解している作品を大人が書いているというのが当時の私にとってみたら救いに感じられたんです。
――そうだったんですね。
豊永:自分自身、適応力は高いほうだけど、結局どこに属しているのかわからない、ということをずっと考えている学生時代だったので、『凍りのくじら』にはとても救われました。あと、私は読書のほかに、フィルムカメラも趣味なんですけど、私の撮影した写真を見て、ファンの方が「阿紀ちゃんが勧めているから、『凍りのくじら』を読んだんだけど、阿紀ちゃん撮った写真は、理帆子(『凍りのくじら』の登場人物)が撮った光の描写とすごく似てるね」と言ってくださったんです。凄く嬉しかったし、自分の中にしっかりと染み込んでいる作品なんだな、と思いました。
そこからいろいろな作品を読んでいるし、これからも読むと思うのですが、『凍りのくじら』を超える作品はないんじゃないかなと思います。
――素晴らしい作品ですよね。それでは最後に、今後の活動目標についてお聞かせいただけますか?
豊永:先日、地頭江音々ちゃんが卒業を発表して、グループにとっても大きい存在のメンバーだったので、私も寂しさがありますし、後輩のメンバーは不安を感じたりすることもあると思うんですが、音々ちゃんはずっと“今のHKT48が最高だし、最強だと思う”とずっと言い続けてくれたので、私達もそれを信じて、音々ちゃんが言ってくれたことを嘘にしないように、ファンのみなさんと密度の濃い時間を過ごしていけたらと思います。
HKT48としては秋に14周年を迎え、そこから15周年に向けた活動になっていくので、そこでもっと勢いをつけて、まだ私達のことを知らない方々にも届くように、色々なことに挑戦していくグループでありたいなと思います。
個人的には、音々ちゃんが卒業すると、同期がいなくなってしまうんです。
――ああ、そうか!
豊永:そうなんですよ。私がHKTに入って9周年で、10年目に突入していくタイミングで、同期がいないという新しいフェーズに突入していくので、そこを楽しめるようにしたい。私自身、実は出不精で、誘われない限りはインドアなんですが、ご飯に行ったことがない後輩を自分から誘ってみるとか、そういうことをしたいなと思っています。
今年は、出不精な自分を変えるために色々なところにも行きたいです。色々な場所に行くことによって自分の中の景色が広がるし、それによって想像力が広がるなと感じたので、それが仕事だったらなおのこと良いなと思いました。なので、ファンの皆さんには乞うご期待ですね。
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