浦和レッズへの入団が内定!
すがや:ここからは入団内定が発表された浦和レッズのことも聞かせてください。僕自身、レッズサポーターで応援番組とか出ているので、聞きたくてウズウズしていました(笑)。どういった経緯で浦和レッズへの加入が決まったのでしょうか?
植木:最初に声をかけていただいたのは、3年生の12月ごろでした。インカレの前に2日間練習参加をさせていただいて。その後、シーズン前のキャンプも参加させてもらう予定だったんですけど、怪我をしてしまい不参加となりました。その後、怪我が治った4月ごろにまた練習に呼んでもらいました。試合も関係者の方が来てくださって、そしてオファーをいただいたという流れです。
すがや:浦和レッズの練習に初めて参加した時の感想は?
植木:日本トップクラスのクラブですし、大学では感じることのない強さ、速さ、上手さでしたね。ただ、自分のプレーがまったく通用しなかったわけではなくて。戦っていける部分がみえて自信になりました。それと同時にもちろん課題もたくさん出ました。課題となった部分を日々の練習に落とし込んで、成長していくことをいまは大事にしています。
すがや:通用した部分、課題となった部分を具体的に聞いてもいいですか?
植木:課題はプレースピードです。プロの方々は、1つひとつのプレーが早いのに正確。そしてプレッシャーがかかる中でも余裕があるように見えました。そこは明確に伸ばしていかないといけない部分だなと痛感しました。
通用した部分はパスと攻守のつなぎです。一度練習試合に出場させてもらった時にスルーパスなど味方を活かすプレーができました。そういうプレーは評価していただいた部分なので。
すがや:今のレッズでいうと、グスタフソン選手が近い存在ですかね。
植木:グスタフソン選手は、ポジションが同じということもあり観察していましたが、とにかく上手かったです。でも、そういう選手を超えてかないと試合に出られないので、今はすごく差がありますが、追いつけ追い越せという気持ちで頑張っていきたいです!
すがや:ちなみに、ほかのJリーグクラブの練習に参加したりは?
植木:いえ、ほかのチームは行っていなくて、浦和レッズ一本でした。
すがや:肥田野蓮治選手(桐蔭横浜大学/FW)や佐藤瑠星選手(筑波大学/GK)は同期入団になりますね。
植木:佐藤選手は、一度選抜チームで一緒になったことがあります。肥田野選手はまだ一緒にプレーしたことはないのですが、素晴らしいFWなのでこれから一緒にプレーできるのが楽しみです。
プレーでチームを引っ張っていくキャプテン
すがや:キャプテンとしてはどんな仕事をしてますか?
植木:チーム一番上の立場なので、選手ともスタッフさんともしっかり話しながら、そこをつなぐ役割でしょうか。サッカー面で言えば、やっぱり先頭に立ってチームを引っ張らなきゃいけない存在。僕は言葉でチームを熱く鼓舞するっていうよりは、プレーで引っ張っていくタイプだと思っているので、自分が一番やらないといけないです。まだまだ足りないので、これからもっとやっていかないといけないと思っています。
すがや:そもそもキャプテンに就任したきっかけは?
植木:1年生から各学年に「学年責任者」っていう立場の者がいるんです。その学年のリーダー的存在ですね。それで、その人がだんだん学年が上がっていき、4年生になったらキャプテンになるというのが、最近の流れです。
すがや:とうことは、1年生から学年のキャプテンだったんですね。自分ではキャプテンは向いていると思っていますか?
植木:うーん……どうなんでしょうか。自分的にはあんまり自信はないかもしれません(苦笑)。でも、高校生の時もキャプテンをやらせてもらいましたし、やりがいのあるポジションではあります。
すがや:日大サッカー部のカラーみたいなのも聞いていいですか?
植木:学年関係なくコミュニケーションが取れて、仲がいいっていうのは特徴かなって思っています。試合中も下級生から要求します。それができないと強いチームにはなれないと思うので。プレー面だと流動的に動いて、ボールを大事にしながら、ボールだけじゃなくてしっかり足も動かして、運動量を活かしたパスサッカーっていうのが特徴です。
すがや:ほかの大学にはない特徴ですよね。以前、一緒に試合を観戦したJリーグチームのスカウトの方が「日大のサッカーは本当に面白い」と言っていました。ただ、「流動的すぎて誰がどのポジションをしているのか分からなくなって、誰をどう見ていいか分からなくなる」とスカウト泣かせなことも言っていました(笑)。
植木:そう言っていただけて嬉しいです。プレーしている自分たちもほかにはないスタイルでやりがいを感じますし、楽しいんです。考えなくてはいけないことがたくさんあるので大変ではあるのですが、サッカーの原点である「楽しい」を感じられて幸せです。
すがや:観る者も自分たちも楽しいサッカーですが、チームとしての課題はなんでしょうか?
植木:今年は失点数がかなり多いので、そこは改善していかなくてはいけません。得点は取れているので引き続き継続しつつ、守備もしっかりやっていきたいです。
すがや:失点数もアグレッシブに行った結果というのもありますよね。
植木:そうですね。前からどんどんプレッシャーをかけて、運動量を活かして奪うサッカーなので、アグレッシブにいく姿勢は忘れずにいきたいです。

すがや:植木選手がこれまで対戦したなかで衝撃を受けた選手は誰ですか?
植木:高校で同じチームだったんですけど、Jリーグのジュビロ磐田に所属している植村洋斗選手(※現在はアルビレックス新潟に期限付き移籍移籍中)は衝撃的でした。攻撃ではボールを奪われない、ドリブルが速い。守備では奪いきって攻撃の起点になる……“なんでもできるじゃん”って思いながら見ていました。
すがや:そんな憧れの先輩と今後はプロとして、同じピッチに立つ可能性もありますね。大学に入ってから印象に残った選手はいますか?
植木:筑波大学の山内翔選手(現ヴィッセル神戸)はすごく印象に残っています。すごく上手かったっていうのと、チームのバランスを取りながら中心で舵とりをしていて、存在感がありました。