人生に大きな影響を与えたある本との出会い
ただ、「プレイするよりも、作る側をやってみたい!」って思ってたのは、間違いないんですよね。
昔のファミコンをプレイしたことがある人はわかると思うんですけど、当時のゲームにはいわゆる「ステージエディット機能」が搭載させているものがありました。有名なのは「エキサイトバイク」とか、「ロードランナー」とかですかね。昨今の人にわかりやすく使えるなら「マリオメーカー」でしょうか。
ああいうので、自分のステージをせっせと作って、そんで、弟とか、母親とかにプレイしてもらったりしてね。作るステージには作り手の「思惑」が必ず入りますが、そういうところに引っかかってくれたりすると、「しめたっ!!」って思ったりして、とても楽しかったことを覚えています。こういうのもある意味では、「モノづくり」ですよね。
そのうち、もっと自分でいろんなものを作ってみたい!!って思うようになります。
そんな小学生のときに、今後の僕の進路を大きく変える本に出会います。
『マンガ ドラゴンクエストへの道』[監修:石ノ森章太郎 作画:滝沢ひろゆき 企画制作:エニックス出版局/スクウェア・エニックス刊]です。
ワニブックスさんの本じゃなくて恐縮ですけど(笑)。
小学生だった当時、ファミコンのドラクエとかね、ハマらないわけがないじゃないですか。この本は、『ドラゴンクエスト』という作品が完成するまでの過程を、どういう背景で、どんな人たちが、幾多の苦難を乗り越えて完成させたか、っていうのが描かれているマンガなんですけど(ある程度の脚色はされてますが)。
重ねてになりますが、当時はインターネットなんかない時代。今でこそWebで「伝説のクリエイターにインタビュー!」みたいな記事は珍しくもなくなってしまいましたが、当時は情報は本かテレビでくらいしか仕入れられなかったんですよね。何となく「作る側をやってみたいなあ」って思ってた僕は、この本を書店で見つけて、めちゃめちゃ衝撃と影響を受けます。
本当はすぐにでも買って帰りたかったですが、小学生とかお金もないですから買えなくて。学校が休みの日になるたびに、置いてあった近所の書店に立ち読みに行ったりしてね。ほんと、何回立ち読みに行ったんだろ。俺のせいで売り物がボロボロになっていった気がする。ごめんなさい近所の○○書店さん。
なんとかお年玉かなんかでその本を買って帰れたんだよな。家に帰ってからもほんと、何回も何回も読み直したなあ、あれ(○○書店さん、最後には責任をもって購入しましたので、許してください!)。