毛布はなぜ花柄なのか?

高野:可愛いな。でもその数ある毛布の中でもやっぱり選ばれている感じですか。
江頭:本当はコンセプト的には選んじゃいけないんだろうけど、友達に毛布を笑われたときの花柄毛布に近いというか、これちょっと使うのに抵抗あるなみたいな、ちょっと派手すぎるものとかを選んだりはしていますね。僕はそんなに意識はなかったですけど。例えば親が毛布を買いに行くときに選ぶと思うんですけど、寝るときって完全にビジュアルで買ってるのかなとか考えたりして。
以前、寝具メーカーの方とお話しした際に、当時は家事の役割を担うのが圧倒的に女性が多かったという社会背景があって。お布団を選ぶのも女性が多かったので、ピンクや赤系が非常に売れ、逆に青はあまり選ばれなかったそうなんです。そういう背景から文化的な背景とも繋がってきて、毛布一枚とってもいろいろ見えてくるなと思いましたね。
高野:確かに、言われてみればそうですね。
江頭:だから花柄が多いみたいな女性イコール花が好きっていうのも一辺倒な考え方ですけど、需要はあったという話なので。花柄かつピンクが主流になっていたのは女性が家庭で働く率が高かったからというのもあるんだなと考えたりもしてました。
――おばさまを狙っているんですね(笑)。
江頭:ですよね(笑)。
高野:僕も思ったことあります。性別は違いますけど、僕もこういう色が好きになっていくのかなって(笑)。
江頭:僕の作品のお客様で、「60歳を超えると花が好きになって鳥が好きになって庭仕事が好きになる」みたいなことがあるらしいんですよね。
――自然を求めていくんですね(笑)。
江頭:はい(笑)。でも、それはすごく素敵だなと思っていて、もちろん人それぞれのライフスタイルがありますが、例えばお子さんが独立されて生活にゆとりが出てきた方が、花を愛でる時間だったり鳥を見たり庭仕事したりというのが素敵な時間を過ごされているんだなと思いますし、僕もちょっとずつ薔薇柄好きになって庭仕事も好きだし鳥も好きになってきました。
洋服とかも、婦人服売り場とか、昔ながらのシャッター街にある婦人服屋さんで、服を選んだりとかして、ちょっとずつ婦人服ブームみたいなのがしみ込んできていますね。毛布のせいかわからないですけど、もともと好きだったのかもしれないですし。やっぱりこの中に母親像みたいなのが、自分の中でずっと軸にあるんだなって作りながら思ってますね。ずっと母親っていうワードはどの作品でも出てくるというか。

高野:めちゃくちゃ素敵ですね。
――ちなみにお母様は、この毛布作品のきっかけが自分が息子に贈った毛布だって知ってるんですか?
江頭:はい、知ってます。いろんなインタビューでも答えてますし。それに反して父親のエピソードは全くないので、父親が「俺のエピソードは無いもんな…」みたいな(笑)。
高野:はははは(笑)。小さい頃から物づくりみたいなことがお好きだったんですか?
江頭:そうですね。小さい頃から紙で作って遊ぶのが好きで、よくNHKの番組を見ながら作っていました。カッターとか使えないので幼稚園のときは母親に手伝ってもらいつつ。母親も美術部だったので。
高野:あ、そうなんですね。
江頭:作るのが好きな母で、「ここはどうしたい?」って聞かれながら、後半はもう母親がやってるのを見るみたいな状態だったんですけど(笑)。それがずっと自分の根底にあると思います。
次回の『お訪ねアトリエ』は、2026年1月16日(金)更新予定です。お楽しみに!!

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高野洸