この春から体を鍛え直したい貴方に贈る“読む筋トレ”。アメリカをはじめとする世界の最新トレーニング事情から、筋肉を増やす食事法まで。超一流企業のビジネスパーソンは、筋トレで強靭な身体と精神を培っていた! 今回はUFC世界チャンピオンマックス・ホロウェイをクローズアップ。

一流アスリートも基礎トレーニングは欠かさない

Ultimate Fighting Championship(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ。略称UFC)は、世界でも最大級のスポーツビジネスのひとつです。

UFCは、世界58カ国以上から格闘技界の最高峰の選手が常時約600人参戦し、26カ国153都市以上で大会を開催。世界156カ国以上でテレビ放送されている、人気と実力ともに世界一の総合格闘技団体です。

▲オクタゴンと呼ばれる金網で囲われた八角形の試合場

2019年のUFCの売上金は、なんと9.4億ドル。日本円にして、約986億6700万円に上ります。

僕がずっと憧れていた世界最高峰の総合格闘技UFC。ひょんなことから僕は、UFCフェザー級世界チャンピオンであるマックス・ホロウェイのコーチに就任することになりました。

世界チャンピオンのマックス・ホロウェイは、選手としても一人の人間としても正真正銘の「超一流」でした。単にUFCのリングに上がっているだけの格闘家ではありません。

マックスにとって、UFC世界チャンピオンというのは、単なる通過点に過ぎないのです。

▲マックス・ホロウェイ

マックスは生まれ故郷であるハワイの教育や環境問題などにも強い関心を持っていて、将来的に目指しているのはハワイの真のリーダー。そばで彼を見ていると、その行動も思考も使う言葉も、まさにリーダーにふさわしい人物だと認めざるを得ません。

ドナルド・トランプ大統領も、マックス・ホロウェイの大ファンです。

2018年12月に行われたブライアン・オルテガとのUFCタイトルマッチで、ブライアン選手がリング上で足を滑らせて転倒した時のこと。並みの選手なら転倒した相手選手を、迷わず仕留めに行ったと思います。

しかし、マックスはそうはせず、ブライアン選手に「立て!」と言い、彼が立つのを待って再度戦いに臨みました。その結果、マックスは見事に勝利したのです。

その試合を見ていたトランプ大統領はUFCの代表ダナ・ホワイトに電話をかけ、「私がこれまでに見た生涯最高の試合だった!」とマックスを絶賛し、大興奮で15分ほど喋りまくったそうです。

アメリカでのマックス・ホロウェイの人気は大変なものがあります。

これほどまでにマックスがアメリカで人気があるのは、彼がハワイで最も治安が悪いワイナイの出身で「ゼロからアメリカン・ドリームを掴んだ人物だから」という部分も大きいでしょう。

マックス・ホロウェイを指導していて、その吸収力の早さに驚かされることが多々あります。

マックスは、僕がアドバイスしたことが良いと思ったらすぐに取り組み、次回会った時にはダメだったところが見事に改善しているのです。これも常に高みを目指す、エリートの証しでしょう。

筋トレに関しても、マックス・ホロウェイはとても大事に考えていて真剣に取り組んでいます。

負荷こそ違いますが私が呼称する「4つの基礎トレ」。スクワット(足)・ベントオーバーロー(背中)・プッシュアップ(胸)・ニートゥチェスト(腹)をマックスはトレーニングに組み入れています。

この話を僕のクライアントさんなどにすると、「えっ⁉ 世界チャンピオンも私と同じトレーニングをしているの?」と驚かれるのですが、紛れもない事実です。

▲一流アスリートも基礎トレーニングは欠かさない イメージ:PIXTA

※本記事は、井谷武:著『史上最高のパフォーマンスを引き出す 知性を鍛える究極の筋トレ(マガジンハウス)』より、一部抜粋編集したものです。

『知性を鍛える究極の筋トレ』は次回6/4(木)更新予定です、お楽しみに。