この春から体を鍛え直したい貴方に贈る“読む筋トレ”。アメリカをはじめとする世界の最新トレーニング事情から、筋肉を増やす食事法まで。超一流企業のビジネスパーソンは、筋トレで強靭な身体と精神を培っていた! 今回はコミュニケーションツールとしての筋トレを掘り下げる。

スポーツジムはコミュニケーションの場でもある

アメリカ・ロサンゼルスのダウンタウンに、100年以上続くシックでクラシックなホテルがあります。「ロサンゼルス・アスレチック・クラブ」です。

この名前から、アスリート専用のホテルのように思われがちですが、実際にはロスを訪れるビジネスパーソンやダウンタウンで仕事をするビジネスパーソンが利用しています。

▲歴史を感じるロサンゼルス・アスレチック・クラブ

このホテルはリッツカールトンのような重厚な雰囲気で、しかもジムがかなり充実しています。しっかり筋トレができるホテルなので、ロサンゼルスに行った時には僕も定宿にしているのです。

他にもプールやバスケットボールコート、スカッシュコート、ビリヤード場などもあります。

僕が宿泊していた時のこと、ホテルのジムに行ったら、平日の早朝にもかかわらず多くの人が筋トレに励んでいました。この光景を見て僕は、「アメリカのアッパークラスの人たちの意識の高さは凄い!」と感心しました。

また、仕事が終わってから、筋トレをしたり泳いだりしているビジネスパーソンも多数いました。トレーニング後、彼らはジャグジーやサウナに入り、お互いに親交を深めているのです。

今や、筋トレは健康のためだけでなく、ビジネスパーソンのコミュニケーションツールにもなっています。

ニューヨークやロサンゼルスでは、会食でビジネスミーティングをする際、食の嗜好(しこう)が、ビーガンやフィッシュベジタリアン、肉食など人それぞれ異なるケースが多々あります。

だから最近では、ジムで筋トレをしながら情報交換をし、親睦を深める傾向が強くなっているとのこと。共に身体を鍛えることで、会食するよりもはるかに距離が縮まるからです。

どこまで自分を追い込んで筋トレするか――。その追い込み具合で、その人の人間性を見ていると言います。

ハワイの高級マンションにも、当たり前のようにゴージャスで充実したジムが併設されています。その理由は、ジムの充実度でマンションを選ぶ人がとても多いからです。

ハワイでも、筋トレ後に青空の下でジャグジーに入り、マンションの住人たちが親睦を深め、ビジネスの情報交換をしている光景をよく見かけます。

優れたジムで構築する人間関係は、とても素敵なものです。

そこに集まる人たちは、会社の経営者、役員、医師、弁護士、研究者、アスリート、俳優など成功者が多く、肩書きも年齢も多岐にわたります。しかも、ジムではニュートラルな状態で人間関係を構築できるという利点があります。

彼らは後に、お互いに必要な人材や仕事の案件、クライアント、転職先などを紹介し合っていて、ビジネスの上でもジムで築いた人間関係が役立っているそうです。