逃げ場が無くなる夫婦喧嘩!?

―――夫婦でVANLIFEのメリットなどはありますでしょうか?

拓也さん 洗濯・整理整頓・食事の用意などの家事を、自然と2人で協力してやるようになるので、どちらかに負担が多いとか不満になることがありませんね。長距離の移動があっても「疲れてないか?」気づかいながら運転を交代して進めますし、お互い単独でVANLIFEをした経験もあるのですが、2人でいると「寂しいな」と思うこともありません。トイレや歯磨きに行くために外に出る時、暗い夜道で女性1人だと結構怖いですが、夫婦で一緒なら安心です。“熊出没注意”の看板が立っていた車中泊スポットに行った時は、特に1人じゃなくて良かったと思いました(笑)。

▲常に一緒にいるからこそ、お互いを気遣うことが大事

―――“熊出没注意”(笑)、たしかに1人だと怖すぎますね。逆に夫婦でVANLIFEのデメリットなんてあったりしますか?

拓也さん 常に一緒にいるので、夫婦喧嘩をしたときは逃げ場がなくて、息が詰まってしまいます。そんな時には、モールや大きな道の駅などの商業施設は超優秀です(笑)。2人で別行動して、自分の見たいものを見るために歩きながら、一旦頭を冷やします。冷静になったころに、連絡をとりあって再会。同じ建物内にいるので、合流しやすくて便利です。

―――一旦距離を取るのが重要ですね~。夫婦でVANLIFEのたまらない瞬間などは?

拓也さん VANLIFEを始めたての頃、道の駅「伊東マリンタウン」で車中泊して、早朝に目が覚めて、すぐ見えたのが太平洋から、今まさに朝日が登っている景色だったんです。椰子の木や港に止まっているボートとのコントラストが、また美しくて! この感動を分かち合える人がすぐ隣にいることが幸せでした。その高揚感がたまらなくて「朝から絶景が拝める車中泊スポット」を2人で探して、積極的に行くようになりましたね。VANLIFEしてて良かった! と思える気持ちいい朝を味わえます。

―――車ならではの楽しみですよね! VANLIFEを始めて、夫婦の関係で変わった所などはありますか?

拓也さん 会社など外の世界で培われる大きなコミュニティよりも、もっと小さな単位で「夫婦」というコミュニティを大切にしたいという想いから、私たちはVANLIFEを選びました。何よりも夫婦の関係を第一優先に考えるようにしていますね。狭い空間を共にして、逃げ場がないからこそ、一つ一つ解決して乗り越えなくてはいけませんでしたし。仲良くなるほど、ぶつかることも増えてきましたが、嘘をつかない・隠し事はしない・本音を話すということを徹底すると決めたので、お互い変に気を使わなくなりました。だけど、家事など協力することが多いというのもあって、思いやりは忘れずに心がけるようにしています。

―――一緒に旅をしているからこそ、お互いを思いやることが重要なんですね。最後に今から夫婦でVANLIFEを始めようかな? と思っている方へメッセージをお願いします。

拓也さん 恵理さん VANLIFEは旅行代を節約したり、アウトドアを楽しめる、というメリットもありますが、“夫婦で向き合う時間”を作れることが一番の変化をもたらします。いつもより夫婦2人の時間を、ぎゅーっと凝縮して多く過ごすことになるので、お互いの良い面も悪い面も、新たに発見していく思います。もしかしたら数年後、数十年後の課題になっていたかもしれないことに、直面するかもしれません。そんな時こそ、思いやり力が試されるし、夫婦でどう向き合うか? を考えるキッカケにもなります。バンライフは不便なことも多いけど、夫婦の絆を深め合いながら、色々な景色を共有できるって、本当に最高です。日本中にはたくさんの楽しいドライブスポット、絶景車中泊スポットがあります。ぜひたくさんの場所を巡って、たくさんの思い出をつくってください!

▲2人のYouTubeチャンネルも是非チェック!

―――拓也さん、恵利さんありがとうございました! VANLIFEという新しいライフスタイルで、夫婦の絆がさらに深まった、えりたく夫婦さんから今後も目が離せません。気になる2人の活動はYouTubeなどでチェックしてみてください!

<取材後記>
8月1日には、えりたく夫婦・拓也さん主催のバンライフフェスが、LivingAnywhereCommons八ヶ岳にて行われました。ポータブル電源を使い、一泊二日のバンライフ・キャンプ体験や車中泊仕様車の展示、バンライファーとの交流会などバンライフに興味がある人にはたまらないイベント。ニュースクランチで連載中のクルマ旅漫画『渡り鳥とカタツムリ』も、このバンライフイベントに複製原画や高津マコト先生直筆のイラストなどを飾った「わたカタブース」として、飛び入り参加させてもらいました!

プロフィール
菅原 拓也・恵利(えりたく夫婦)
デュアルライフ(ニ拠点生活)を送る夫・拓也と、海外でアドレスホッパーをする妻・恵利は、Twitterで知り合い、恵利が日本に一時帰国した日に初対面する。「旅好きのフリーランス」という共通点で意気投合し、出会った翌月に婚約。拓也はデザイナー、恵利はライターとして、リモートワークしながら車で日本全国を旅する生活を送っている。