子どもが後悔しない選択が何より大切
もちろんケースバイケースだと思いますが、私は「お子さんが第一志望の学校をどうしても諦めきれないのであれば、その学校を受けさせてあげる」のも一案だと思います。
なぜならば、先生のアドバイスに従って、不本意ながら第二志望、第三志望の学校しか受けなかった場合、その学校に合格して入学したとしても、不本位感がままならず、結局不登校になってしまい、学校を中退することになってしまう子どもも少なくないからです。
なぜそうなるのか。それは単に「その学校がイヤだ」というだけでなく「第一志望の学校を受けられなかった。受けさせてもらえなかった」という思いが「心のしこり」となって残ってしまうからです。
場合によっては、死ぬまでずっと「あのとき担任から私の第一志望を認めてもらえなかったから、私の人生は狂ったのだ」「あの担任のアドバイスに従ったから、私の人生はこうなってしまったのだ」と、恨みつらみを抱えて生きることにもなりかねません。
当然のことですが、人間、自分の人生は自分で生きることしかできません。
したがってどんなに担任が反対しようと、どうしてもお子さんが受けたいという学校があるのであれば、その学校を受けさせてあげるのが一番だと思います。それが将来ずっと続く不本意感を解消するために、もっとも重要な知恵かもしれません。
心から受けたかった第一志望の学校を受けたならば、たとえ不合格であったとしても、お子さんにも親御さんにも「やるべきことをやった」という達成感が残ります。
そうすれば、第二志望、第三志望の学校に行かざるを得なくなったとしても、その現実を受け入れやすくなります。
そして残念ながら、第一志望以外の学校に通わざるをえなくなった場合には、親としてこんなふうにアドバイスしてあげるのがいいでしょう。
「あなたが行くのに一番いいことになっている学校に、受かることになっていたのよ」
これは、私の娘が第一志望校に落ちたときに、実際に娘にかけた言葉です。