明るい場所で自分の手を見るとベッタリと…

さて、“怪談”ではなく“階段”の話ということがバレたところで、次の恐怖体験を。

去年の8月のことです。夜の9時を過ぎたごろだったでしょうか。改装工事中のマンションの一室に配達に行きました。通路の壁には傷がつかないよう、ビニールやプラスチックのボードで養生がされています。

配達先の部屋は4階。エレベーターはないものの、この日は配達を夕方から始めたので足がガクガクする心配もありません。なにぶん通路は狭く、お腹やバッグが少し擦れはしたものの、スムーズに目的の部屋へ。インド料理屋のカレーとタンドリーチキンのセットを渡して階段を降り、自転車に乗ったところで次の配達の指示が入ります。

近くだった次の店で、タイミングよく受け取った牛丼をバッグに入れようとした瞬間、冷たい何かが手をべっとりと汚します。右手はすでに真っ赤。「ひゃあ!」っと尻餅をつきそうになりました。でも私自身、痛いところはどこもありません。

▲ベットリと付いていたのは血ではなくペンキ

冷静に考えてみると、そう、ひとつ前に配達したマンションの外装工事で使われていたペンキが、ベットリと付いていたのです。自分が使っているリュックが黒いものだったのと、事件が起こったのが夜だったので大きな問題はありませんでしたが、もし警察の方に見とがめられていたとしら、トラウマしかない職務質問をされたに違いありません。。。

エントランスの張り紙に冷や汗

さぁ、最後こそは本当に怖いお話といきましょう。

ランチタイムの配達ラッシュが落ち着き始めた8月頭の午後2時すぎ。つけ麺屋の商品を某都営住宅へと配達したときのことです。この日は夕方から雨の予報だったので、これが終わったら帰ろうかと思いつつマンションの入り口に到着した私。

15階建てぐらいのマンションのエントランスを通り、エレベーターホールへ。そして私が見たものは……。

「エレベーター点検中」

という標識。嫌な予感がして、エントランスへ戻り、住民への掲示板を見ると……。

「8月〇日、午後2時~4時、点検のためエレベーターは使えません。階段をご利用ください」

そして、配達先の部屋番号をスマホで確認すると、そこに書かれていた数字は……。

「1303」

「キャー!!!」

いやぁ~。猛暑日だというのに、どんな怖い話を聞いた時よりも震えました。ここで体力をすべて持っていかれた私は、この日は滝のように流れる汗と疲労によってノックダウンされたことは言うまでもありません。

ちなみに、ウーバーイーツからもらえるお金は「基本料金+距離料金」で計算され、距離料金は地図上の移動距離(横の移動)をもとに計算されます。

つまり、いくら縦の移動をしたとしても、まったく動いていないという扱いをされるので、あれだけ頑張ったのに433円しかもらえなかったことを、最後にお伝えさせていただきます。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は次回9/4(金)更新予定です、お楽しみに。