経営が思わしくないとき、原因を外部環境に求めていないでしょうか。市場に活気がない、人材不足、消費が冷え込んでいる――。しかし、武蔵野の小山昇社長は「会社が赤字になるのは、99%社長に原因がある」と断言します。「自分史上最高の営業利益を手に入れる」ために、他でもない「社長の役割」を再確認してみましょう。
生き残るために「変化についていく」
会社が赤字になるのは、社長が自分の役割を理解していないからです。
会社を黒字にするために、社長が遂行すべき役割は、おもに次の「6つ」です。
【社長の役割】
- 変化についていく
- 決定する
- チェックする
- 社員を守る
- 責任を取る
- ナンバー2を決める
経営とは「環境適応業」です。私は「お客様の要求に合わせて、コロコロと組織を変える、わが社の柔軟さ」を誇りとしています。
市場やお客様は「分秒の単位」で変化し続けています。市場やお客様が急速に変化を続ける以上、それと同等以上のスピードで会社を変えていかなくては、あっという間に取り残されてしまいます。
「レコード」がなかった時代、音楽が好きな人は、楽団による「生演奏」を楽しんでいました。
ところがエジソンが1877年に「フォノグラフ」(世界発の再生可能な蓄音機)を発明してから、楽団のマーケットは縮小。レコードが市場を支配しました。
その後、カセットテープが登場します。カセットテープはレコードと比べて安価で、コンパクトで、音が飛ばない。カセットテープのシェアはレコードを上回り、CDが登場するまで主要なパッケージ音源として人気を誇りました。
1980年代になると、CDの誕生によってカセットテープとレコードは下火になり、現在はインターネットの「音楽配信」が普及して、CDの売れ行きは風前の灯火です。
どの時代も「音楽を楽しむマーケット」は存在しています。ですが技術革新によって、人々の「楽しみ方」は変化している。したがって時代の変化に合わせ、いち早く会社をつくり変えていくのが社長の役割です。
レコードをつくる会社、カセットテープをつくる会社、CDをつくる会社であり続けようとすると、技術の進歩にともなって衰退してしまう。けれど「音楽の楽しさを提供する会社」であれば、どの時代でも勝ち残っていくことが可能です。
中小企業は、大きな変化を起こすことはできません。けれど、変化についていくことはできる。
会社が生き残れるかどうかは、時代の変化に自社を対応させていけるかどうかで決まります。