“タダ飯”のタイムリミットは10分

▲時間が過ぎるのを切実に待つ理由とは? イメージ:PIXTA

一方、10分タイマーというのも配達員にとっては、やる気の上がるシステムです。ウーバーイーツは食べ物を配達するサービス。そのため宅配便のように不在だった場合に、数時間後に配達というわけにはいきません。そこで、配達先の家のインターホンを鳴らして不在の場合、配達員は専用アプリを通してお客様に電話をかけることができます。

ここでつながらなかった場合、つながらなかった旨を運営側に報告すると、運営側が注文者にメールや電話を入れます。それでもお客様とつながらい場合、注文者の都合によるキャンセルとなり、運んできた食べ物は配達員が処分、つまり食べてもOKということになります。

この時の食事代は、注文者のクレジットカードから引き落とされ、配達員は配達料も受け取ることができるのです。キャンセルが確定するのは、配達員が連絡取れない旨を運営側に伝えてから10分後。ということで、私は10分タイマーと呼んでいます。

▲タダ飯は嬉しい。ただそれだけの話 イメージ:PIXTA

不在の際のルールを作らないと、トラブルが起こるだろうということで作られた規則だと思われるのですが、配達員にとってはタダ飯が食べられる大チャンス。インターホンを鳴らしてもお客さんが出ず、電話がつながらなかった時はテンションが上がります。

とはいえ、空腹時に注文するのがウーバーイーツ。運営側に連絡したところで、9割以上の確率でお客様から電話がかかってくるので、タダ飯にありつけることは滅多にありません。またコロナ対策の「置き配」のサービスができてからというもの、タダ飯をゲットできる可能性はますます減っています。

そんな中、先日、久しぶりにタダ飯をいただくことができたので、その経緯をお話しします。都内にある高級ハンバーガーショップに受け取りに行ったのは1個3500円のブランド牛100%のハンバーガー。

「お客様に直接商品を渡す」という指示を確認後、配達先へ。しかし、インターホンを押すも応答なし。電話をしてもつながらず。運営側に連絡をして待つこと10分、配達員用のアプリに「配達を終了してOKです」という画面を確認しました。

3500円のハンバーガーなんて食べたことがないので、大喜びで近所の公園へ行き、ハンバーガーを食べたいところですが、この日はガックリ肩を落としながら次の配達依頼を受けました。なぜならこの配達の直前、空腹に耐えられずマクドナルドでハンバーガーを食べたばかりだったのです。

どうして私はこうも間が悪いのでしょうね。

私はその後、ハンバーガーを入れたまま6時間ほど配達。家に戻ってハンバーガーの入った箱を開けると、そこには肉汁がパンに染み込んで、ビシャビシャになった残念な高級ハンバーグの残骸がありました。でも、電子レンジで温めて食べてみたところ、それなりにおいしかったことだけはお伝えしておきます。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は次回10/2(金)更新予定です、お楽しみに。