小さな声ひろって大きくしてこ~
動画を作り始めたことで「こんな問題が起きているんですよ」「実情は、こうなっているんです」といったメッセージをたくさん頂くようになりました。その中には「マジか……」とため息が出るようなものもあります。
たとえば、長崎に“石木ダム”というダム建設の動きがあります。建設予定地は、60人13世帯の小さな村なんですが、その村が今まさにダムの下に沈もうとしているわけです。
でも、この計画案が持ち上がったのは、もう何十年も前の話。この話は実際に動画でも取り上げまして、もっと詳しく話しているのですが、そもそも必要性が疑わしいうえに、なにより住民が納得できる説明がされていない。
そんななか、工事が強行されようとしているんです。しかも強制収用〔国や地方自治体が、公共の利益にとなる事業のために、私有の土地や物件などを強制的に取得すること〕し、村に住めなくするといった強引なやり方をしていると……。
この件について、声を上げている方はたくさんいらっしゃるんですが、たぶん皆さんの多くはご存知ないことでしょう。その大きな原因として「見て見ぬふりをしている人が多い」ことがあるように思います。
こういう事態は、いつどこで降りかかるか誰にも分かりません。だからこそ「見て見ぬふりが、賢い処世術」などと構えているようでは、実際に何か起こったとき、手痛いしっぺ返しをくらうかもしれません。どんな人の声でも、耳を傾けることのできる「風通しの良い風潮」を作っていくことが大切だと思います。
もし誰かが沼に沈んでいたら、ひとりで助けるのは大変かもしれません。しかし、助けを呼ぶ声を聞いたあなたが「みんな! 人が沈みかけているよ」「一緒に助けよう!」と声を上げるだけで、声の大きさは倍になります。
そうやって助けを求める声に耳を傾け、一緒に声を上げる。行動する人の輪がつながることで、その人はきっと助かることでしょう。まずは耳をすまして、小声でもいいから声を上げることができる世の中になればいいなと思います。
まずは耳をすましてみることからはじめようや! せやろがい!