“やましいことはしていない”のに辞任

この問題でのトランプの弾劾裁判は終わった。しかし、ハンターのウクライナでのビジネスに関しては、議論が終わったわけではない。

2019年10月、ハンター自身もウクライナ企業の取締役への就任に関して「私が不適切なことをしたかというと、一切ない」と言明しながらも「今思えば、まずい判断だった」と発言している。

また、バイデンがハンターの取締役への就任を知っていたか、また関与したかについては「取締役会入りの前後、父とは特に話し合わなかった。短いやりとりをしただけだ」と語っている。

バイデンは、知ってはいたが口利きはしなかった、という説明だろうか。今後も共和党側は厳しい追及を続けるだろう。

ハンターの外国企業との関係は、ウクライナだけにとどまらない。ハンターは、中国関連の投資会社の役員も務めていたが、2019年10月にそのポストからも辞任した。父親の大統領選への影響を懸念してのことであった。ハンター自身は、何らやましいことはしていないと主張している。

しかしトランプ陣営は、ハンターの中国との関連に焦点を当て、父親の権力を笠に着て甘い汁を吸っていた、というイメージを創り出そうとしている。息子のルートからバイデンを攻めている。

ハンターは、バイデンにとって最初の妻との間の存命している唯一の子供である。交通事故で生き残った二人の息子のうち、長男のボーはその後に亡くなっている。

次男のハンターは、最初の妻との間には3人の娘に恵まれたが、24年間の結婚生活の後に離婚した。その後に、兄のボーの未亡人との深い仲が報道された。さらにストリップショーに出演していたされる女性との間に、婚外子をもうけている。そして2019年に現在の妻と再婚している。