勉強するなら動画じゃなくて本がいい?

――カズレーザーさんは、どんな勉強法が効果的だと思いますか?

カズ 月並みですけど、やっぱり今回のクイズ本で問題を作ったのは、すごく勉強になったなぁと思います。とくに後半の解説を作っている時ですね。深く調べたり、自分の中にあった情報が、つながったりしていきました。

――今、ビジネスマンの勉強ブームが起きています。クイズに限らず、英語の勉強法であったり、自分で問題を作ってみるというアプローチは真似してよいでしょうか。

カズ う~ん。クイズの勉強って、資格試験には使えると思うんですけど、語学って難しいんですよね。まぁ、楽しく触れている時間を長く持つのが一番いいと思います。英語でも、やっぱり海外のAVを見ていると、すごく単語を覚えるじゃないですか(笑)。

あと僕、今は全然やらなくなってしまったんですけど、筋トレにすごくハマっていた時期があって。ロニー・コールマンというボディビルダーのDVDをよく見ていたんですけど、それでスラングも覚えました。DVDに登場する白人の英語が、すごく聞き取りやすくて「こういう表現があるんだ」と覚えましたね。好きなものだと専門用語も意外と頭に入ってくるし。

――最近、勉強をテーマにしたYouTubeチャンネルも開設されましたね。

カズ これも、そういうお誘いをいただいて「やらせてください」ということで。当初のコンセプトは「勉強嫌いの中学生でも50点は取れるようになる授業」という目線を下げたものでしたけど、最近はもう普通に自分が勉強してます。この前なんか、センター試験の世界史・日本史を60分で解かされて「ゴリゴリの勉強じゃん!」と。

でも、そのために久々に世界史・日本史を勉強し直したら、なんか楽しかったです。最近クイズでも歴史をやっていたおかげで、知識が定着していてスラスラ解けましたね。自分が受験生の時より楽しめました。

――余裕ができると勉強が楽しく感じるんですかね。

カズ 何ででしょうね。勉強系のYouTubeチャンネルとか、映像コンテンツとかもすごく人気ですよね。でも自分自身、映像を見るだけで勉強になるわけがないと思っています。僕は純粋にエンタメとして見ています。

▲「映像を見るだけで勉強になるわけがない」という衝撃の一言

――ええ! カズさんがそれを言ってしまいますか(笑)。ではカズさんのチャンネルも、一種のエンタメということですか。

カズ あれ見て頭良くならないですよ。だから「50点」なんですよ。勉強系のYouTuberの方も、その動画コンテンツをあげるために、自分で座学で勉強しているわけじゃないですか。他の動画コンテンツを見て勉強したりしてないですよ。大学教授もそう。やっぱり、ちゃんと文献とか書籍を読み漁って勉強しているんですよ。

テレビとか映像コンテンツって表面的なものです。その表面をよくするために、裏でみんなちゃんと勉強している。その手段としては、自分のペースで勉強できる本がいい。動画だと、どうしても相手の時間ペースになり、勉強した気になってしまう。もちろん見ていないより見た方が知識は増えるけど、同じ時間を使うんだったら専門書を読み漁った方が、絶対に頭は良くなると思いますけどね。

あ、僕のクイズ本は全く勉強にならないですよ(笑)? あくまで息抜きで読んでもらいたいですね。

プロフィール
 
カズレーザー
1984年生まれ。埼玉県出身。同志社大学商学部卒。2012年、お笑いコンビ「メイプル超合金」を結成し、15年にはM‐1グランプリ2015決勝進出。ボケを担当。16年、初めてクイズ番組に出演した際に優勝。クイズ番組にレギュラー出演するかたわら、オンラインサロン「カズレーザーとクイズ天国・難問地獄(仮)」の主宰も務める。『カズレーザーが解けなかったクイズ200問』が初の著書となる。