名古屋走りを警戒しつつ・・・
そして2日目。朝6時30分に起きて自転車を借り、サービス開始時間である朝7時に配達開始ボタンを押しました。千里の道も一歩から。まずは最初の配達依頼を待ちます。
都内では普段、この時間帯によく注文が入るマクドナルドやスターバックスが、ホテルの近場にあるので期待したのですが、スマホがうんともすんともいいません。
「まぁ入れ食いはないか」なんて余裕をこいていましたが、ようやく最初の依頼が来たのが1時間後の朝8時。日が悪いのか場所が悪いのか……とりあえず指示されたマクドナルドへと向かいます。
お店へ向かっている時に気がついたのですが、名古屋の街はとても道が広い。私の待機している栄のビジネスホテル周辺では大通りはもちろん、1本裏に入った道でも広い歩道がある。これは、世界のTOYOTAの本社がある愛知県だからなのでしょうか。
一部の車道の脇には自転車専用道が整備されていますが、歩道が広いので、自転車は基本歩道を走っています。人も多くはないので東京都内と比べると、とても走りやすい。
ですが、配達員にとってのデメリットがなくはありません。こちらの写真を見ていただけたらご理解いただけるはずです。
歩道はデコボコが多く、さらに道路と交差するところでは必ず段差があるので、ドリンクや汁物を運ぶとき、中身がこぼれる危険が高いのです。
東京都内であれば、段差のない車道の左端を走って危険を回避するのですが、自転車は歩道を走るものだと思いながら、車を運転している名古屋人がいそうなこのエリアで、車道に出るほど私は向こう見ずではありません。
「マクドナルドは、ドリンクを一緒に注文するお客様が多いからいやだなぁ……」
なんて独り言をボソボソ言いながらお店へ向かうと、案の定ドリンクを渡されました。とりあえず、段差があるところではサドルからお尻を少し浮かせる、という方法で段差問題をクリアし、中身をこぼすことなく1件目の配達が終了です。
名古屋遠征の結果はいかに?
1件目の配達を終えて待機場所のビジネスホテルへと戻る最中、段差の対応策をいろいろと策を考えたのですが、杞憂に終わりました……なにせ配達依頼が全然こないのです。
ビジネスホテルに戻ったのが8時30分。そこから19時30分まで11時間の間に、やってきた配達依頼はたったの6件。朝7時に配達を始めたのに、ここまでの収入はたったの2624円。前日にひつまぶしを食べてしまっているので1万円以上の大赤字です。
せめて赤字額を5000円程度に抑えたいが、依頼が来なければどうしようもありません。「今回の旅配達は大失敗だ……」とベッドでふて寝を決め込んでいたら、19時30分から突然の配達ラッシュが。
24時30分までの5時間で11回の配達依頼が飛び込み、台湾まぜそば・カレー・ローソンのからあげクンなどの商品を、栄から名古屋城の北側の住宅地、千種・大曽根・鶴舞の駅周辺まで運びまくりました。
結果、1日の収入は6976円となり、宿代・交通費・ひつまぶし代を差し引くと、トータルでマイナス4324円と、なんとか赤字額を5000円以内に収めることができました(昼間に食べたパン代はここに含みません)。
うまいものは食べられたわけだし、これでよしにしようと、翌日に高速バスで帰宅し自宅へ戻ると、スマホに一通のメールが。
「シェアサイクルの利用金額は3200円です」
と、まさかの出費で泣きっ面に蜂。スマホホルダーのある快適なシェアサイクルだったけど、ここまでするとは……。
やっぱり世の中も配達員も甘くない。