イニエスタ選手の心意気に救われた

――YouTubeを始めるにあたって相談した人はいますか?

那須:始める前に相談した人はいないです。自分がやることは、自分で決める性格なので。ただ、始めてから動画でコラボしてもらう選手には相談しました。(アンドレス)イニエスタ選手や(ダヴィド)ビジャには、たくさん助けてもらいました。

特にイニエスタ選手にコラボを申し込んだときは、彼の心意気に救われました。あのときは、登録者数5000人にも満たなかったと思うんです。彼からしたら、僕の動画に出るメリットなんて何もない。でも、打診したら快く「いいね、一緒にやろう!」と言ってくれたんです。

チームメイトというのもあったかもしれないけど、あの一言は嬉しかったのを強く覚えています。

あと、イニエスタ選手は自分自身の価値がわかっている。プレーヤーとして、どういう価値があって、影響力を持つかを。世間に対する自分の見え方を知っているので「良いものは良い」「悪いものは悪い」とはっきり言うんですね。彼のそういう自分の価値や物事の捉え方は、見習うべき部分がたくさんあるなとコラボしたときに感じました。

▲真剣な眼差しで話をしてくれる那須大亮さん

――やはり世界的スーパースターから学ぶことは多いんですね。現役時代と引退後で動画投稿のスタイルに変化はありましたか?

那須:ありますね。まず、現役のときは試合の勝敗によって、動画をボツにしたり、連敗中は動画はアップしないということを決めていました。なので、最長2ヶ月くらい動画をアップしなかったことがあります。ただ、そうするとやっぱり登録者数は伸びない……。観てもらう動画を投稿していないから当然なんですけど(苦笑)。

――負けているときに動画をアップしなかったのは、那須さんの意向で?

那須:チームとの話し合いで決めました。もちろん現役中は、プロサッカー選手というのが大前提にありますから。チームが勝てていないときに動画をあげたら、それこそ大炎上しちゃいます。プロサッカー選手というのは、選手だけで成り立っているわけではなく、チーム関係者やスポンサーさん、そしてサポーターの力があって、はじめてピッチに立てる。それは僕も強く思っていたことなので。

引退してからは、気ままにと言ったら語弊があるかもしれませんが、自分の出したいタイミングで投稿ができています。企画自体もエンタメ性をプラスしたものだったり、新しいチャレンジもしているところです。