独創的な世界観と計算されたネタを生み出す大人気コンビ・かまいたち。テレビで見ない日はないほど、いま最も勢いのある芸人と言っても過言ではないだろう。NewsCrunch編集部は、初の著書『寝苦しい夜の猫』(扶桑社:刊)を出版したボケ担当の山内健司さんの取材に成功! 本の制作秘話からコンビのこと、ネタのことなどを聞いてきました。

※編集部より:今回の取材は「三密」を徹底的に避けて行いました。 

編集担当に転がされて気づけば自伝を書いていた

――『寝苦しい夜の猫』のご出版、おめでとうございます! とても面白かったです。どういった経緯で出版に至ったのでしょうか?

山内  僕はインスタでたまに猫の写真を載せていて、その猫がこうしゃべってそう「何とかだにゃ~」みたいな、そういうのを本にしたいなというのは、マネージャーとかにもフワっと言っていたんです。

そんなときに、扶桑社さんから書籍のお話をいただいたんです。扶桑社さんの企画説明は、最初「猫の本です」的なニュアンスだったんですよ。はじめにマネージャーから聞いたときは。それで話を聞いてみたら「猫目線のかまいたちの話」とか「猫が語るかまいたちの話」とか、まったく意味がわからない。それどういうことですか?  みたいな感じになったんですけど。

そこから話はなんとか進んで、書籍作りが始まったんです。最初は全編、猫がしゃべっている本みたいな感じでスタートしたんです。「なんとかだにゃ~」みたいに書いていった。でも、読みにくすぎるので、猫部分は最初のストーリーテラーみたいなところだけになった。結果、気づけばエッセイになっていました。

▲書籍制作の過程を語ってくれた山内さん

――『寝苦しい夜の猫』というタイトルには、深い意味があるのですか?

山内  扶桑社さんの編集担当さんの強い意向です。こういうタイトルどうですか? と最初から言っていて、それにしましょうかみたいな感じ。

――山内さんの知られざる面を知ることができる本。自伝に近いなと思いました。

山内 そうなんです、自伝なんです。なんか猫っぽくしようとして、そうなってますけど。気づけば扶桑社の編集担当さんに転がされてました。

――タイトルやカバーを見て、猫愛本なのかと思いました。

山内 ほんまに猫の本と思う人がめちゃくちゃ多くて、完全にタイトルミスったなって。『かまいたち伝』とかのほうが売れたんじゃないかって話なんですけど、でも、そう思って読んだら、意外に違っていて面白かったみたいなことを言ってくれる人も多いです。

――もともと文章を書いたりするのが好きだったんですか?

山内 いや、全然。ネタ書くときは、一気にパーッと書くみたいな感じで、他の人よりかは長い時間考えたりしないけれど、こういう本はネタの書き方とまったく勝手が違いました。だから、めっちゃ時間かかりました。