BLMで日本のマスコミが伝えていないこと

朝日新聞に限らず、日本の大手新聞各社およびテレビ局各社は、おしなべて、いわゆる平和主義的です。平和主義を利用して脊髄反射的に体制批判を繰り返すことで、ビジネスしているメディアばかりだと言ってもいいでしょう。

いわゆる平和主義は、メディア側に「報道しない自由」という理屈さえ与えます。自分たちの主張にとって都合の悪いことは報道しない、ということです。

2020年、アメリカで起こったBLM(Black Lives Matter、ブラック・ライヴズ・マター)という運動が話題になりました。「黒人の命は大切」などと訳されて日本のメディアでは紹介されました。

この運動は、5月にミネソタ州のミネアポリスで、黒人男性を白人警官が膝で首を押さえつけ死に至らしめた事件をきっかけとして起こりました。日本のメディアでは、アメリカの人種差別問題を中心に、いかにアメリカの警察官が黒人コミュニティーへの暴力を繰り返してきたか、という問題として取り上げました。

▲BLM運動のロゴ 出典:ウィキメディア・コモンズ

BLMの運動は2020年が最初ではありません。2012年2月にフロリダ州で、17歳の黒人青年が白人の自警団員に撃たれて死亡する事件があり、団員は殺人罪で起訴されたものの翌年に無罪となりました。この件に対する抗議運動中、女性3人がSNS上で「#BlackLivesMatter」というハッシュタグを使って、運動を盛り上げていったことから始まりました。

日本のメディアは、ここまでのことは伝えています。しかし、BLMの創始者である3人の女性、パトリス・カラーズ、アリシア・ガーザ、オーパル・トメティがどういった人物であるかについては、ほとんど報道していません。

BLM創始者3人の実態と影の援助者とは?

アーチスト・団体オーガナイザーの肩書を持つカラーズ、ライター・活動家の肩書を持つガーザ、人権活動家の肩書を持つトメティの3人は、筋金入りの共産主義者です。

カラーズは、2015年、モーガン州立大学のジャレッド・ボールという教授が聞き取りしたインタビューで「私たちは熟練のマルクス主義者であり、熟練の組織者である」と述べています。

また、カラーズは2018年に『When They Call You a Terrorist : A Black Lives Matter Memoir』(彼らがあなたをテロリストと呼ぶとき:BLM運動回想録)という本を出版していますが、その出版インタビューでも、マルクス主義のイデオロギーへのシンパシーを語ったということです。2020年6月には、CNNのインタビューに答えて「私たちの目標はトランプを追い出すことだ」と述べています。

カラーズは、ロサンゼルスの労働社会戦略センターという機関で、共産主義の活動訓練をみっちりと受けてきた人物です。カラーズの指導にあたり、また今も活動をともに続けているのが、労働社会戦略センターを創立したエリック・マンという人物。

マンは左翼活動をすでに半世紀ほど続けてきている運動家であり、マンが関わっていたザ・ウェザー・アンダーグランドという団体は、FBIから国内テロ団体として指定されています。

もちろん、なかには純粋に人種差別を訴える人たちのデモ活動もありますが、BLMを標榜する限りは、こういった人物とそのイデオロギーおよび組織の指導下にある運動です。

▲ジョージ・ソロス 出典:ウィキメディア・コモンズ

そして、BLMを資金的に援助しているのが、政治運動家としても知られる投資家のジョージ・ソロスです。ソロスが創設したオープン・ソサエティ財団は、2020年7月「Racial Equality(人種的平等)」の推進のためにとして、2億2千万ドルを投資すると発表しました。ソロスは「アラブの春」をはじめ、世界中の反政府抗議運動を支援してきた人物です。

日本のメディアは人種差別問題、言ってしまえば耳に聞こえの良いところだけを伝えます。しかし、その背景にある重要な問題、つまり共産主義およびテロリズムについて語ろうとはしません