美白への執着がすさまじいタイの人々

▲タイの地図 出典:PIXTA

――サラワットやタインが通う大学にも、ハイクラスな人たちが集まっていたんですね。ドラマではタインのことを「驚きの白さ」などと表現していましたが、肌の色が白いこともモテポイントなんですか?

清水 ドラマに出てきているタイ人のほとんどが色白ということもあり、一般的な東南アジア系とは少し違うと感じた日本の視聴者も多いでしょうね。今までですと、日本の旅番組に出てくる元気の良い屋台や市場のおばちゃん、華麗に路地を走っているバイクタクシーのお兄さん、世界的に活躍するムエタイ選手……。褐色の肌にハッキリとした目鼻立ち、これがタイ人のイメージだったのではないでしょうか。

じつは、彼らのほとんどは、タイの地方出身者でバンコクに出稼ぎに来ている人たちなのです。地方に行けば行くほど純粋なタイ人が多く、国境に近づけば近づくほど、国境が接している国との混血が進むのが一般的です。

そして、昔から商業の中心地であったバンコクには、中国からやってきてビジネスを始める人が多かったことから、華僑が多く住んでいました。結婚によって混血化が進み、中国人のような東アジア系が数多く存在しているのが今のバンコクです。

ですので、バンコク出身者は多少なりとも中国人祖先の血を引き継いでおり、最近では中国人だけでなく、欧米人との国際結婚も多いので、多種多様なバックグランドを持ったタイ人が主流となってきています。そして彼らのほとんどが、色白というのもの特徴の一つです。

このように生まれながら色白のタイ人も多いことに加え、タイ人の「色白信仰」はかなり強いものがあります。色白の華僑に富裕層が多いという事実もあり「色白=美しい、お金持ちに見える」というのがタイ人の一般的な考え方。それは女性に限った話ではなく、男性でも同様です。日本人のように、わざわざビーチに行って日焼けを楽しむという考えはないですね。

日焼け止めは必ず塗り、ビタミン系のサプリも飲む。男女問わず美白系の化粧品が充実している日本製の化粧品は大人気です。以前、怪しいネット通販で「これ飲めば美白になれる」とうたったサプリを購入し服用した後に、気を失って病院に担ぎ込まれ、意識回復するも精神疾患という後遺症に悩まされているタイ人女性がいる、というニュースがあるなど、タイ人の美白への執着はすさまじいものがあります。

ドラマのように、ある程度の学力レベルの大学であれば、華僑の血が入っていて色白で比較的裕福なタイ人学生も多いです。それ加えて、地方出身者であっても男女ともに美意識が高い学生は、美白のために努力を惜しまないので『2gether』は、現在のリアルなタイが描かれていると思います。