勝っても負けても都知事を投げ出し国政に戻りたい?

では、仮に都議会選を終えて都民ファーストの会が敗北したら、小池氏はどうするのでしょうか。これはあくまで私の予測ですが、彼女は「私の責任」ということで都知事から退く可能性が高いといえるでしょう。

あれだけ目立つことに全てを賭けている小池氏が、なぜ首都のトップを諦めると予測できるのか。理由はただひとつ、国政復帰です。これまで少なくとも議会では守ってくれていた都民ファーストの会所属議員が減少するとなれば、失敗続きのコロナ対策への批判の声が大きくなるのは時間の問題です。

▲勝っても負けても都知事を投げ出し国政に戻りたい? イメージ:PIXTA

自らのイメージに大きな傷がつく前に「責任を取る」というパフォーマンスで先手を打ち、再び国政の場で権力の座に就くための道筋をつけることでしょう。

最近、ある週刊誌に「ポスト菅首相」のなかの一人に名前が挙がりました。書いた側としては記事の注目度を上げたかっただけだと思いますが、小池氏本人は本気で首相の座を狙っている可能性は否定できないでしょう。

さらに付け加えると、勝ったとしても都知事の職を投げ出す可能性はあります。その場合は良いイメージを持たれていることになり「私は都知事としてやりきった。だから後進に道を譲る」ということで国政復帰の理由をつくれるからです。

このまま五輪が開催されるとすれば、開催都市のトップという目立つポジションを手放すことは考えられないので、パラリンピック終了後の8月下旬~総選挙前までの彼女の動きは注視する必要があります。

ちなみに、小池氏は五輪開催に対して煮え切らない態度を取り続けていますが、これもすべて支持率次第。現在発出されている緊急事態宣言は6月20日までとされていますが、この日を境に態度をはっきりさせるのだと思います。賛成と反対、どちらに流れるかはわかりかねます。

ただし、その結論は都民、そして日本国民のためではなく、あくまで小池氏が政治家として得をする方になることは間違いありません。

≫≫≫ 次回は、具体的に小池都政によるコロナ対策の“何が”問題なのかについてお話します。