月例賞は“いいこと”だらけ

――先ほど教えていただいた月例賞や出版社との協業レーベルについて教えてください。

都志見 協業レーベルについては、出版社の編集部さんと得意領域のノウハウを共有しながら、一緒に作品を作っていく取り組みです。

――月例賞は、どんな風に選んでいるんですか?

角脇 pixivには毎日多くのオリジナルマンガ作品が投稿されているので、それらすべてを日替わりでいろんな社員が読んで、面白かったものを「編集員のオススメ作品」としてピックアップしています。このオススメ作品や、それ以外の投稿作品の中から、特にマンガとしてクオリティが高かったものを月例賞に選出しています。

――オススメ作品のピックアップは何名くらいで担当されてるんですか?

角脇 15名くらいです。好きな作品の傾向とかはそれぞれ違ったりするんですけれど、面白いところを語り合って「わかる!」みたいなコミュニケーションはよく生まれています。

――わかりみというやつですね。

都志見 どの作品に賞をお贈りするのか、という段階になると「こういうところが良いよね」「面白いよね」という点を、より論理的に話し合っています。

――自分が投稿した作品を、運営の人たちが真剣に目を通しているんだと知ったら、ユーザー様もうれしいですね。

角脇 そう感じていただけると私たちもうれしいです。担当している社員みんな漫画が好きなので、この仕事が一番楽しいって言ってる人が多いです(笑)。

――月例賞はいいことだらけなんですね。

角脇 そうですね、そうでありたいと思っています。

――なっていると思いますよ。ここから商業化している作品もたくさんあるわけですから。

作品に寄り沿った参加しやすいキャンペーン

――最初に話されたプラミルなどの販促企画についても教えてください。

都志見 うちの場合、作品に沿った販促を大事にしています。代表的なものがプラミルで、描き下ろしイラストやマンガなどを購入特典としてユーザー様に配布しています。他にもオリジナルでグッズを制作したり、サイン入りのグッズプレゼントなども行っております。

――企画を提案するのはpixivコミックさんからですか?

都志見 そうですね、こういったグッズを作らせてくださいっていう相談は、弊社からすることが多いですね。もちろん、編集部さんからも販促の相談をいただいて、そのうえで一緒に考えたりすることもあります。

――特別な特典ですから、差別化がすごくできますね。過去の事例だと『チェリまほ』の7巻だったり、りべるむさんの2作品同時発売だったりですね。

都志見 りべるむさんのキャンペーンは、2作品ともpixivコミックで無料連載に掲載いただいているので、作品同士のコラボマンガを更新したり、2作品の中で好きなキャラクター2人が選べるサイン色紙を応募者プレゼントにしたりしました。異なる作品のキャラクターが同じページ・色紙に描かれているのを楽しめるのは、うちならではの施策なのでは、と思っております。

――それはすごい!

都志見 作家さんのファンはうれしいんじゃないかなと。

――参加しやすいキャンペーンだな、とも思ったんですけど。

角脇 そうですね、まだ作品を読んだことがない方もいらっしゃると思いますので、こういった機会に作品に出会い、読んでいただけるきっかけを作ったうえで、しっかりと作品・作家様のファンの方々に寄り添う形で企画を行いたいと考えています。

――それまで作品を知らなかったのに、読んで当たって、それでファンになっちゃったっていうこともありそうですね。

角脇 あるとうれしいですね。

――女性向けの施策が多いのかなと思ったんですが。

角脇 そうですね、男女比で言うと女性ユーザー様の割合が高いので意識していますね。7割くらいは女性ユーザー様なので、グッズを作るときに作品のファンが喜ぶものってなんだろうと考えていると、やっぱりクリアファイルとかアクリルキーホルダーとか。

――よく聞く“アクキー”ですね。クリアファイルも使いますからね。

都志見 私も特典系のクリアファイルとかいっぱい持ってるんですけど、もったいなくて使えなくて、クリアファイル収納用のクリアファイルにいれてます(笑)。