読書体験がより良くなるように高めていきたい
――お二人の話を聞いてるとマンガへの愛を感じます。
都志見 創作文化への愛や、クリエイターさんへの尊敬っていうのは、私たちだけでなく会社全体として持っています。そこに還元をしていきたい、という思いは常にありますね。
ニッチだけれども一定数のファンがいるような作品って、どうしても作品の将来がちょっと不安だったりすると思うんです。そういった作品が、pixivコミックストアで売れていたら打ち切られない世界っていうのを作っていきたい、と思っています。
――頼もしいです!
角脇 頑張ります。
――作家さんの夢を叶えるために、pixivとpixivコミックが連携してエコシステムを形成する必要がある、と考えていらっしゃるんですよね。
角脇 そうですね、月例賞などの取り組みもやっているんですけど、もっと連携を強めていきたいですね。それぞれの作家様が持っているモチベーションの達成とか、夢を叶えられる場所としてpixiv全体があるべき、と考えています。
マンガを描くことで承認されたい、お金を稼ぎたい、人気になりたい、もっと評価されたい、いろんなモチベーションがあると思うんですけど、それぞれを達成するためにサービスごとの役割を果たしていきたいですね。pixivとpixivコミックは同じ会社なんですけど、投稿してデビューしてその作品が売れる、ヒットするっていう流れについては、まだまだ弱いと感じる部分でもあるので、今より密に連携していくことが必要だと考えます。
――意識が高い! マンガ業界を引っ張っていくんだという思いが伝わってきます。
都志見 今はまだ、紙でヒットした作品が電子でも売れるっていう流れがやっぱり強いので、デジタルファーストやデジタルボーンの作品を増やしていきたいなと。
――マンガは電子が強いですからね。pixivさんに投稿された作品からの商業化、pixivコミックさんで連載してメディア化される作品が本当に多いと思ってるので、さらにその先まで何歩も踏み出している気がします。
都志見 ありがとうございます。もっと頑張っていきたいです。
――今後は電子書店の競争も激しくなると予想してますか?
都志見 そうですね。ユーザー様も自分に合った書店を利用されていると思います。もっと特色だったりとか、選ばれる理由っていうものをつけていかないといけないですね。
角脇 今後は作品の表現方法っていうのも変わってくると思いますし、読者としても読み方の体験ってどんどん変わっていくと思うので、そこには弊社としても対応していきたいです。
紙で読む人もいれば、今まで通り電子で読む人もいて、スマホじゃなくてARグラスで読みたいみたいな人とか、いろんな表現方法とか体験方法っていうのが変わってくると思うので、ユーザー様の体験がより良くなるように高めていきたいっていうところを考えています。
――ARグラスとか、夢があっていいなってワクワクします。マンガがいろんなデバイスで読めるようになるといいですよね。最後になるんですけど、来年に10周年を迎えるということで、おめでとうございます。
角脇 ありがとうございます。
――キャンペーンとか予定されてるんですか?
都志見 そうですね、来年6月頃にやりたいなと思います。これから企画を考えるので、まだ何も決まってないんですが(笑)。キャンペーン以外にも、無料連載で日々新しい作品が掲載されているので、ぜひ多くの方に来ていただいて、お気に入りの作品を発掘していただきたいです。
――ありがとうございました。