町の酒場で異文化交流も誕生

▲左端の串、写真を撮る前に食べてしまった

串が焼けました。いただきます。うん、どれもおいしい。左から3本目と4本目の玉子は、食べ応えがあって、いいアクセントになりますね。肉もプリプリしてて本当においしい。1本70円でこれが食べられるのが信じられない。だって、これにドリンクを2杯飲んだって1000円いかないでしょう。

なんだろう、昭和にタイムスリップしたのか俺は。この値段でやっていけるのか心配すると、店主は「大丈夫だよ」と笑います。

▲店主と会話ができました

この日はあいにくの雨模様。店主は「いつもはたくさん人がいるんだけどな」と残念そうな顔をしているから、売り上げが少ないことを嘆くのかと思いきや「人がたくさんいたほうが、いい写真撮れるでしょう」と。どこまでも気遣いの人なのだと思いました。でも、おかげでいろんな話が聞けたんです。

昔はもっと活気があったこと。最近はどんどん外国のお客さんが増えていること。多い日にはカウンターがフィリピンのお客さんで埋まること。外国の皆さんはおいしそうに串を食べるそうで、店主もうれしそうです。

▲スーカと呼ばれるフィリピンのお酢

こちらは常連さんたちが持ち込んで、お店に常備してあるフィリピンのお酢だとか。こちらを焼きたての肉にかけて、唐辛子を盛大にふりかけて食べると、故郷の味に近くなるんですって。

実際に私もやってみたけど、さっぱりしておいしかった。これはいくらでも酒が進みそいう。

「そうなんだよ。意外とうまいんだよね」と店主は笑います。

▲店内に置かれた電子レンジ

ふと見ると、店内に置かれた電子レンジが目に入りました。食べ物の持ち込み禁止だから弁当を温めるわけじゃあるまいし、なんだろうと気になったんです。

「これは熱燗用ですか?」

「それもあるけど、冬場ってすぐに料理が冷めちゃうから。冷たくなった煮込みを温めてもらいたいなって思ってね」

私は感動したんです。店内の様子はたしかに簡素だし、飾りっけはほとんどない。でも、せっかくだったら酒の場を楽しんでほしいという店主の優しさが、こんな小さなところに現れていることに。

▲いつもは笑顔だけど、串を焼くときは真剣です

安い店って往々にしてサービスがおざなりだけど、この店は安いうえに、ホスピタリティも最高ときたもんだから。私はうれしくなりました。

「いい店ですね」

「あら、ありがとうございます」

店主はお客さんの笑顔が好きなんでしょうね。だから、うまいものをお手頃な価格で食べさせることに喜びを感じる。

こういう店は信頼関係が大事です。さっと食べてさっと帰るのがいいですね。店の前にあるセブンイレブンを何往復かして満足したところで、そろそろお暇しましょう。

ごちそうさま、また来ますね。小岩はやっぱりいい町でした。

▲早く焼けないかな

『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は、次回12/3(金)更新予定です。お楽しみに!!

<店舗情報>
■鳥勢
住所:東京都江戸川区南小岩7-23-19
営業時間:14:30~20:00頃(売り切れ次第閉店) 
定休日:日曜・祝日・第二月曜
電話:非公開
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。