コンビニから角打ち&立ち食いそば屋へ
渋谷というと若者の街というイメージがありますが、その昔、駅前はなんだかジメジメして、一歩路地に入れば小汚い飲み屋がたくさんある、おっさんのオアシスだったんです。
だけど、気がついたら若者の街になっていますね。ついには100年に1度の再開発が始まり、駅は迷宮のように入り組み、足を踏み入れただけで目が回りそうになる。気がついたら渋谷から足が遠のいたという方も多いはず。
そんな渋谷に古くからある名店をご紹介しましょう。
このお店は、もともと古くからあった酒屋が業態変更をして現在の形になりました。コンビニなんかを経て行き着いたのが、“飲める”立ち食いそば屋でした。おそばなどの食事と一緒に、充実したお酒のラインナップを楽しめる、夢のような店なんです。
レジ横ではタバコも販売していて、お客さんはひっきりなし。食事だけ楽しむ人も、もちろんたくさんいます。なぜならメニューがかなり充実しているから。
渋谷といっても、道玄坂を上り切った繁華街からは少し外れたあたりにあるから、周辺はオフィスが多い。
だから、お客さんのほとんどは男性サラリーマン。この日も、昼間から一杯やってる素敵な先輩の姿がありました。とにかく周辺から愛されていることがよくわかります。
そんなわけで、とりあえず駆けつけ一杯。
割り材はうしろの商品棚から炭酸水を選んで、レジで焼酎と一緒に購入します。それを手元でシュワシュワっと割れば、あっというまに自家製酎ハイのできあがり。
渋谷駅からは坂もあるし、10分以上歩くから息が切れちゃった。そんなわけでさっそくいただきます。ああ、うまい。昼から飲む酒は、夜に飲む酒と同じくらいうまい!
カウンターの横には揚げたての天ぷらがあるので、それを取ります。さらに、つまみを選んでねっと。惣菜を横の厨房で作っているんですね。だから、その様子がチラッと見えます。まさに作りたてです。
店主は壮年のいい男で、見た目はキリッとしているから強面に見えるんだけど、これがまた、長くこの地で商売をしてきただけあって、接客も素晴らしい。時折、素敵な笑顔も見せてくれる。たった一つの注文だって嫌な顔せずにレジを打ってくれる。