銀行へ殺到してコロナ感染者が爆増する事態に
銀行員がボイコット運動に参加したことで、銀行は軒並み閉まってしまいます。そうなるとお金を引き出すことができなくなるので、国民はATMへと急ぎました。それはもう、びっくりするくらい長蛇の列ができていました。
ですが、ATMの中にあったお金は早々にすっからかんになりました。もちろん、銀行は閉まってますから補充もありません。
現金がないと、日々の生活を送るのに支障をきたします。飲食店やスーパーは、時短ではあるものの営業してはいたのですが、肝心の現金がなければ購入することができないわけです。なので、いつ再開するかわからずとも、連日、朝から銀行の前に多くの人が並んでいました。
ただ、時期はコロナ流行の真っ只中。多くの人が密になったこの状況によって、コロナの感染者数が爆発的に増えていきました。お金は引き出せない、コロナには罹ってしまう、日々食べるものに困ってしまうと、多くの苦難を国民は同時に味わうことになってしまったのです。
疑心暗鬼が広がり相互監視の生活
多くの市民が軍事政権に反対しているものの、なかには軍を支持している人もいます。
そういう人たちが「隣の◯◯さんがクーデター反対デモに参加していた」「◯◯さんの長男がインターネットに軍の悪口を書き込んでいた」など、軍に密告していると噂が広がりました。
自分がどのような思想を持っているか、また、どの政党の支持者なのかということは、あまり話すことがないですから、誰が軍支持者なのかは本当にわかりません。
ですから、人々が疑心暗鬼になって監視し合う、殺伐とした雰囲気が市内に漂っています。今までは近所で仲良くしていたけど「誰がスパイなんだ?」と探り探られ状態といった感じです。
クーデターが起きてから、密告によって軍に逮捕された人がいるという話や、逆に密告者だとわかって村人から袋叩きにされて半殺しの目にあった、という話なんかも耳にしました。
昔の軍事政権時代も相互監視社会になっていたようで、歴史は繰り返されるものなのでしょうか。おおらかな民族性が、今回の軍事クーデターで再び失われてしまった感じで、ちょっと寂しい感じがします。