焼きたての串に甘めのタレをまとわせてガブリ

▲いいちょうちん

東急池上線の荏原中延という駅があります。近くに都営浅草線と東急大井町線の中延駅もあり、それらを結ぶ大きな商店街もあり、なかなか賑わう下町です。

安い惣菜屋さんや、老若男女から愛される個人経営のパン屋さんが軒を並べていて、商店街がチェーン店だらけということもない。なんとも穏やかな雰囲気を残した素敵な街なんです。

▲なんとも味のある店構え

本日のお目当て『鳥忠』は、駅から徒歩1〜2分。アーケードとは別の商店街の端っこにあって、そこまでお店は多くないけど、人通りはそこそこ。そんなロケーションにあります。

こちらのお店は、テイクアウト専門店と理解している人も多いようですが、夜になると店の軒先で酒が飲めるんです。さっそくお邪魔しましょう。

▲店の前に置かれた皿。ここから自由にどうぞ、ということでしょう

店頭に並ぶ焼き鳥たち。でもちょっと寂しい様子です。この日訪れたのは夕方6時。もうおしまいなのかな。とりあえず目の前にある串をいくつかみつくろって、お酒も頼みます。テーブルもあるのですが、先客がいたので、店の前にあるスペースに(立ち飲みの連載ですが)腰掛けましょう。

▲珍しくビールからいただきました

とりあえずビールを片手に乾杯。ほぼ道路といっていい、軒先で乾杯します。屋外なので背中には外気をそのまま感じますが、目の前に焼き台があるので、それが暖房器具となって、お腹の方はすこし暖かい。コートは着たままですが、あまり寒いとは感じません。

▲串をじっくり選びます。マトン串が気になりました

串もジャンジャンいただきます。うんうまい。きっと新鮮でいい肉を使っているんでしょう。1本100円だから、どんどん頼んでも懐は痛みません。

▲目の前の焼き台で次々と焼かれていく串たち

手元にある串を食べ終わったら、次は手羽先が食べたくなりました。でも、皿には並んでない。そんなときは注文すればいいんでしょう。手際のいいお姉さんが目の前で焼き上げてくれます。

ああ、煙がこっちまでやってきてイイ気分だ。肉が焼ける香りを全身で浴びるのは気持ちの良いものです。コロナ禍で旅行ができなくて鬱々としているシニア世代に、“煙浴”が流行る予感がしました。

▲焼きたての手羽先 

これもまたおいしい。肉厚でジューシーです。肉がまとった自家製タレは思ったより甘めで、老若男女にわかりやすいおいしさ。一口食べた瞬間、うまいと言いたくなる味といいましょうか。言い換えれば酒が進む味ですね。それでいて、すっきりとした後味なので、どんどん胃の中に吸い込まれていくんです。こりゃあうまいや。