2021年7月10日の北海道・大樹町公演を皮切りに、11月14日の三重県・玉城町公演まで、実に5ヵ月にわたって全国14ヵ所をまわったEXITの『萎えぽよエリアぶちアゲ活性化ツアー』。過疎に悩む地域や元気のない地域に、こちらから出向いていって人々と交流し、名所や名産品などの紹介を通じて、その地域を盛り上げるというコンセプトだ。

私はそのうち11ヵ所の取材をさせてもらったが、自治体の方々や地元のファンから「地元の我々だけではできないレベルのアピールをしてもらえた」とか「EXITの二人が名産品をおいしい! と言って食べてくれて誇らしい気持ちになった」といった声をたくさん聞いた。

土地土地で心のこもったもてなしを受けた際、生産者や関係者の気持ちに寄り添って常に適切な応対、コメントができる二人の能力にはただただ感心したし、なにより、りんたろー。と兼近自身が、本気で地域の「役に立ちたい」と思い、真摯に活動する姿が多くの人の心を動かした。

当初は「地方活性化」という大きなテーマのもと、地域の魅力をEXITが「内から外」にアピールするお手伝いをするという主旨だったわけだが、終わってみれば、それ以上に地方に生きる人々の「自己肯定感」を高めるツアーになったと思う。

今回は、そんな意義深いツアーを終えたばかりのりんたろー。と兼近に、旅の総括として今の気持ちを語ってもらった。ライブ直後の高揚感もあって、質問する側も答える側も「ヒーローインタビュー」みたいなテンションになったので、そんな感じで読んでください。

▲EXIT『萎えぽよエリアぶちアゲ活性化ツアー!』振り返りインタビュー

一ヵ所一ヵ所が思い出になった

――全国14ヵ所を走り切ったわけですが、今、どんな気持ちですか?

りんたろー。 もう終わりなのか……これからもまだ続きそうな気持ちがしてるのに、終わりなんだ......って。ちょっとまだ実感が湧いてないですね。

――でも、ツアー総括の映像を見てるとき、りんたろー。さん泣いてましたよね(笑)。

兼近 そうだよ、涙出してたじゃん(笑)。実感湧いてない人には感じなかったよ。

りんたろー。 ハハハ、確かに(笑)。チームの愛とかファンの方々の気持ちとかいろいろ感じてしまって。すごくうれしいなって感動しちゃいました。

兼近 僕の感想は、全国の元気のない地域とか、芸能人をTVでしか見たことないって人たちにとって、この先少しでもいい思い出になってくれたらいいなって感じですかね。

▲ライブが終わった直後にもかかわらず元気にポーズを決めてくれた二人

――今回は自治体やコラボ企業をはじめ、呼ぶ側の思いがとても強いツアーだったと思います。

りんたろー。 そうですね。その土地の特色を活かしたコラボ商品とか出してくれて、行く前から皆さんの熱い気持ちを感じましたね。僕たちの思いを汲み取ってくれて、それを形にしてくれてる感じがすごくしました。

兼近 一つ一つに地域性があって。その町にどういう状況があり、どういうストーリーがあって、俺らがそこに呼ばれたのか。その流れというか、過去もあるじゃないですか。

――震災や豪雨などの被災地もありましたもんね。

兼近 そう、その背景のストーリーとかも感じられて、わからなかった部分も少しずつわかっていったっていうのは良かったな。本当にどこが一番というのはなくて、一ヵ所一ヵ所が思い出になりました。

――各地の歴史に接したり、旧所名跡を巡ったりもしましたが、どんな学びを得ましたか?

りんたろー。 それこそ久慈の水族館(日本で唯一、地下にある水族館『もぐらんぴあ』のこと)とか知らなかったですし、(兼近に)かめ吉だっけ?

兼近 ああ、被災した亀ね〔補足:『もぐらんぴあ』は2011年の東日本大震災で全壊したが、2018年4月に再建、そこで生き残った「かめ吉」という亀が飼育されている〕

りんたろー。 その土地土地の食文化に触れたり。食育をやっているところが多かったですね。