Twitterのトレンドに入ったBL検定
――電子書店員としての普段のお仕事を聞かせてください。
吉田 大きく2つあって、サイト更新と企画立案・実施です。まず1点目のサイト更新なんですけど、出版社さんからご提案のあったキャンペーンページや、画像の作成をうちの部署で行ってるんですけれど、キャンペーンの数や新刊の数が多いので、その作業をコツコツやっています。
キャンペーンページは完全に手動で作っているので、間違いがないかのチェックは人の目でやっていて、価格設定の間違いを未然に防ぐためのチェックなども地味にやっています。あとキャンペーン作品や新刊を選定して、サイトでの効果的な配置の検討も行っています。
――サイトの要というか、大事なところですね。
吉田 サイトを作っていく作業なので、画面上ではあるんですけど、ユーザーさんに直接触れる部分なので、そこはミスがないように、よりよいものを提供できるように頑張っています。
――キャンペーン数は多いですよね。実際、多すぎると混乱することもありそうですが……。
吉田 そうですね、キャンペーンは年々増えてますね。ただ、多すぎて見つけられない!ってことがないようにしないといけないですし、ユーザーさんによって見たいものもさまざまだと思うので、その方の嗜好に合ったものを出せるようにしていけるよう改良を行っています。
――人によってオススメを変えられる、というのはいいですね!
吉田 それから、マンガ界のトレンドに合わせた企画を考案しています。
――情報収集はSNSでされているんですか?
吉田 はい、SNSも使ってます。あとは、弊社の営業担当が出版社さんとのやりとりで情報を仕入れてきてくれるので、それを共有してもらったりしています。ですので、ユーザーさんのSNSでの意見や、Renta!で最近売れそうになってる作品をデータで見たりして、総合的に考えている感じです。
――大変そうですけど、面白さもすごく感じられますね。
吉田 SNSでの意見だけだと、既にブームになりきっちゃっているものが多くて……。どちらかというと、トレンドを先取りしたいので、出版社さんとかの意見に助けられていますね。
――仕掛ける書店になりたいってことですね。
吉田 そうですね。後追いもちろんしていかなきゃいけないと思うんですけど、やっぱりブームを作る側になっていきたいですね。
――電子書店員としての面白さを感じるときを教えてください。
吉田 やっぱり、企画の反響があったときですね。企画をやるうえで、目標の数値を達成したときは、もちろんうれしいんですけど、ユーザーさんの「Renta!が、こういう企画をやってて面白かった」などのコメントをSNSとかで見かけたときが、“届いているんだな”と思えて一番うれしくなります。
――手応えを感じますもんね。
吉田 私自身であれば、よっぽど面白いって思わないとSNSに書いたりはしないので。電子書店だと、ユーザーさんの声を数字でしか見れなくて、どういう思いで買ってくれたのか、何がおもしろいと思ってくれたのか、そういった意見がわからないのが少し寂しいなと思っていたので、生の声が届くと、発見があって楽しいです。
――Twitterのトレンドに入られたこともあると聞いたのですが、トレンドに入るって、すごく難しいことだと思うんですけど、これはどんな企画をされたんですか?
吉田 「BL検定」っていうBLの企画ですね。5回目くらいになるんですけど、特にTwitterで広めてもらおうと思った施策ではなくて、BLの受けと攻めの顔を並べて、どっちが受けだと思うかユーザーに選んでもらうという。
――すごく回ってましたね、そう言われてみれば。
吉田 そうですね、看板企画なので。ユーザーさんが「ぶっ飛んでる」って呟いてくれて、それがどんどん拡散されてましたね。結果に応じて称号がもらえるんですが、称号がちょっと面白い内容になっているので、Twitterでその結果を拡散してもらって、ユーザーさんがユーザーさんを呼んで、トレンドに入ったという流れでしたね。これはユーザーさん同士で盛り上がってくれたので、本当にうれしかったというか、成功だったなと思いました。
――企画力の賜物だと思います。
吉田 ありがとうございます。でも、これを企画したのは、BLを全く知らない男性スタッフなんです。専門外の人の意見は、思ってもいない発想が出てくることがあって、それはそれで面白いなと思っています。いろいろなジャンル専門の人がいるって先ほど話しましたけど、ジャンル専門外の人も、思いついたことがあれば言ってくれる空気になってるので、そこからこういう成功企画が生まれましたね。
――その受けと攻めのピックアップは、詳しい方がされてるんですよね。
吉田 それは専門家が選んでます。
――いいですね、専門家って響きがいい。
吉田 そんな大層なものとかではないですけど(笑)、そうですね。