周りに配って喜ばれるのはダントツで「イカ」

スルメイカはスーパーにいつも並んでいるので、皆さんにとっても馴染み深い食材だと思います。おかずとしても、おつまみとしても美味しいので、釣り人にとっても人気ターゲットのひとつ。

私が普段釣りをしている東京近郊では、ここ数年の釣果が悪かったのが、今季はまずまずの釣果。ここ最近は、上手な人だと100杯を超える釣果も出ていた。そんなこんなで、今回はスルメイカにチャレンジすることにした。

スルメイカの寿命は1年くらいだそうで、大きく分けて秋・冬・夏の3シーズンに産まれることで、成長の度合いや回遊するエリアも分かれ、1年中狙えるのも魅力。相模湾あたりは6月頃からスタートし、夏ごろに一番盛り上げるのだけど、冬の平日でも満船が続き、週末は早々に受付が締め切りになるほど。

調理が簡単で美味しいから、魚さばきに抵抗がある人からも積極的に欲しがられ、友達に配って喜ばれる魚種ナンバーワン。大漁に釣れても嫁入り先に困らないのがスルメイカです。

今回、スルメイカ釣りをしようと思ったのも、ここ最近イカ釣りばかりをしている友人がイカをくれたことがきっかけ。船上で干したイカを5杯いただいたのだが、その時ちょうどうちに遊びに来ていた友人3人とすぐに食べてみたら、あまりの美味しさにあっという間に4杯が胃袋へ。これは自分で釣るしかない! となった。

初挑戦の仕掛けを自分のサイズに合わせて作ってみた

イカは種類が多く、それぞれ味わいが違う。この時期に釣れるのは主にスルメイカとヤリイカ。簡単に比較すると、ヤリイカはスルメイカに比べて身が柔らかく、甘みの強さが特徴。肝はほぼ無い。

一方、スルメイカの身は肉厚でどんな料理にも使い勝手がよく、肝がたっぷり入っている。ヤリイカとスルメイカが同時に釣れることもあるので、それぞれの良いところを合わせたヤリイカの身とスルメイカの肝でつくる塩辛は、釣り人ならではの贅沢。これを味わうためには釣るしかないのです。

イカを釣るときは、プラヅノという疑似餌を使う。プラスチック製のツノの端に、カンナと呼ばれるハリがついていて、カラーバリエーションも豊富。形状もキラリと光る断面になっていたり、卵のように形が作られていたりと多彩。

その日の海の状況によって「今日はピンクによくかかる!」「キラキラに反応してる!」など、素早く様子をキャッチし、それに合わせて適宜交換していく必要がある。

▲こちらがプラヅノの一部。イカのサイズに合わせてサイズを変える

ただ、アピール力が強いと、イカ釣りをするうえでは邪魔者でしかないサバに反応されてしまい、イカが乗る前にサバだらけになってしまうことも。そうなると釣りにならないので、アピール力を減らすこともある。

仕掛けは主に2種類あり、このプラヅノを幹糸に直接結んでいく“直結仕掛け”と、幹糸から枝分かれしてユラユラとアピールさせる“ブランコ仕掛け”がある。直結仕掛けは、プラヅノがユラユラしづらいぶん、サバには狙われにくく、仕掛けが単純なので絡まるリスクも少ない。

手返しが早くなり釣果を伸ばしやすい一方で、テンションが抜けるとイカが外れやすく、せっかくかけたイカをばらしてしまいがちに。なので、直結仕掛けは扱いが難しいので、サバの猛攻には気をつけつつ、初心者はブランコ仕掛けのほうが無難。

これまではブランコ仕掛けを使っていたのだが、スルメイカは水深を広く探れる直結仕掛けのほうがいいと聞き、今回初挑戦。不安に思いながらも挑んでみることにした。

市販の仕掛けは、男性の手の長さに合わせて作られているのか、使いづらいと感じていたので、自分の手の長さに合わせて自作するしかない! と思い、15本のプラヅノをつけた全長約20メートルの仕掛けを作成。

意気揚々と作ってみたものの、これまで8本までしかつけたことがなかったので、その倍ほどの長さを扱いきれるか不安になる。けれど、頭の中の妄想は準備万端。あとは当日を迎えるのみとなった。

▲いよいよ仕掛けづくり。どういう配色にしようか悩む
▲完成した仕掛けは専用の木枠にかけて現場へ持っていく