ドーパミン的幸福に包まれながら釣り続ける

ようやく釣れ始めたことで、ドーパミンがドバドバと出まくる私は、疲労感たっぷりの腕のまま次の投入へ。しかし、自分の腕が限界を迎えていて重いのか? イカがたくさんついて重いのかわからなくなってきた。

スルメイカは1杯350グラムくらい。それが4杯つくと1.4キロ。オモリが450グラムなので、約2キロの重さに加え、水深100メートル超の水圧で体への負荷が激しいが、釣れてるチャンスを逃すわけにもいかない。もし、ミラクルでイカが10杯ついたら……。想像するだけで、うれしいようなツライような(笑)。

釣れたあとも休憩する時間は無く、ポイント移動のあいだは船上干し作りのためにイカをさばいていく。バケツにいる生きたイカを掴むも、イカの足が手に絡まってくるし、それを外そうと、もう一方の手で掴んだら噛まれたり。これがけっこう痛くて「痛いーー!!」と言いながらてんやわんや。

イカをハサミで開いて内臓を取り、さらに目と口を取ってキレイな海水で洗って、ロープに干す。揺れる船上でその作業をするのはかなり大変だ。

そして外した内臓の中から丁寧に墨袋を外し、その中から肝の部分だけを取って袋に入れ、船長が持っていた塩をいただいて、すぐに酒盗づくりのために塩漬けに。いつもなら移動中は短時間でも爆睡する貴重な睡眠時間なのに、イカ釣りの最中は寝ている暇は無い。

でも、この美味しい船上干しを食べたくてこの釣りをしに来たのだから、この作業も楽しい。うまい人のロープには、かなりの数のイカが干されていて、そこでも圧倒的な差を見せつけられる。その後も肉体疲労と戦いながら頑張ったが、釣果は全部で9杯。もっと狙いたかったけど自分の腕力的にこれが限界だった。

▲さばいたイカを竹串でロープに固定して干す

自分で作った船上干しのイカと酒盗で晩酌

結局、自分で釣った9杯は全て船上干しに。友人は30杯くらい釣り、10杯もわけてくれたのでお土産はたっぷり。

すぐに生で食べたいところだけど、イカはアニサキスが多く、さばいているときに何匹も見かけるほど。なので、生で身を食べるときは一旦冷凍してからしか食べられないが、ゲソにはアニサキスがいないとのことで、船上干しの最中にその場でちぎって食べみたところ、ほどよく塩が効いていてコリコリした歯ごたえですごく美味しかった。

▲船上で干したイカ。サイドに切り込みを入れると炙っても丸まらない

塩漬けにした肝は、塩まみれの中から救出して、キッチンペーパーでよく拭いてから裏ごしに。以前、友人が釣ってきたヤリイカを冷凍しておいたので、スルメイカの肝の中にヤリイカの身を混ぜて酒盗に。これも本当に美味しくてお酒が止まらない!

そして、イカを食べながら改めて今回の釣行を振り返る。

15本のツノをつけた仕掛けには、下にも上にもイカがついていて、友人の「海底にも上にもイカがいるから、広く探れるように仕掛けは長くしたほうがいい」というアドバイス通りだった。あとは、いかに仕掛けをうまく扱えるか。次はそれを最初からできるようにイメトレしてやっていきたいと思う。

〇吉野七宝実がスルメイカ釣りにチャレンジ!

プロフィール
 
吉野 七宝実(よしの・しほみ)
1991年3月5日生まれ。千葉県出身。競輪専門チャンネル『SPEED』のキャンペーンユニット『スピーチーズ』のメンバーとして活動。その後、西口プロレスのラウンドガールユニット『西口向上委員会』のメンバー、AbemaTV『ピーチちゃんねる』のレギュラーレポーターを務めた。現在はグラビア活動のほかに釣り具ブランド『HUNT』のプロデュースなど活動は多岐にわたる。1年かけて自撮りした干物グラビアで構成した2022年版のカレンダー『IPPON釣りcalendar』も好評発売中。Twitter:@Shihomi0305、Instagram:@shihomi0305