夢は劇場のトリと無形文化財!

――最近は先輩方に「期待しとるで」と言われる機会も増えたんじゃないですか?

まもる。 やっぱ、NGKとか立たしてもらってるっていうのはそういうことやからな。

せめる。 たしかに。『Top of Namba Grand Kagez(やすよ・ともこが主宰する寄席イベント)』とかに……。

まもる。 呼んでもらえてるというのはそういうことやから、それはちゃんと気を引き締めてやらなあかんしな。

――自分たちの中に吉本イズム、吉本芸人らしさを感じるときはありますか?

まもる。 それは後輩に飯奢ってるとき!

せめる。 全額やもんな。えらい!

――軍団みたいな集まりですか?

まもる。 いや、そんなんじゃなくて、前説で来てる子とかに。僕らもまだそんなにはお給料はもらってないですけど、その子らよりはちょっともらえてる。先輩らしく、後輩にはお腹いっぱいになってほしいし、次の舞台も頑張ってほしいので。

せめる。 僕はやっぱり、上下関係が染み付いてるところですね。いまだに先輩とかが来たときには椅子とか座っていても立ちます。

▲言葉の端々から、お笑いに対する真摯な態度が垣間見える二人

――近しい存在の師匠はいますか?

せめる。 お話させていただくのは、ザ・ぼんち師匠。

まもる。 僕は一回、おさむ師匠にタップダンス見てもらって、「基礎、できてるね」って言われました(笑)。

せめる。 ご飯も一緒に行ってたもんな。

まもる。 やっぱ、師匠方の漫才はすごいです。僕、祇園花月でオール阪神・巨人師匠の漫才を見てたときに、袖で思わず「これが漫才か!」て言うてしまいましたもん。すごすぎて。そんなんを全部見て、せめると「ここはこうで……」とかいろいろ研究してます。僕ら、顔ネタ以外でも漫才をやってるんで。今はあんまり披露はしてないですけど。

――隠し玉ですか。

まもる。 ユニットライブとか、俺らのことを本当に知ってくれてる人の前とかでやるくらいですね。

せめる。 今は顔ネタが見たいっていうのが一番強いと思うので、顔ネタに力入れてます。

まもる。 今は全部勉強です。(まもるを見て)ぜひ、板の上で、二人で死ねるようにな。

せめる。 ふふっ(照れ笑い)。

――なんか、めっちゃ仲良くないですか?

まもる。 ああ、仲はええほうやと思います。秘訣があるんですよ。あんまり干渉し合わないこと。

せめる。 ホンマにそうやんな。

まもる。 仲良いし、どんなことでも喋るけど、私生活のことは干渉し合わない。「明日、遊びに行くねん」って言われたときに、「どこに? 誰と?」とか聞かないです、別に。「ああ、そうなんや」くらいで。で、次会ったときに「昨日どうやった?」って聞いて話をする。

――俺を誘えよ、とは思わない?

せめる。&まもる。 思わないです(笑)。

せめる。 一緒に遊ばんからな。

まもる。 もともと、「一緒に遊ばん顔」でしょ(笑)。昼飯にラーメンとかは一緒に行きますけど。

せめる。 たまに「晩飯一緒に行こうか」と言うと断られる(笑)。

まもる。 晩御飯まではちゃうなって(笑)。

せめる。 ちょっと悲しいな。

まもる。 お昼だったらまだ行動範囲がわかるんですけど、夜はもう、それ食べたらあとはどこへ連れて行かれるかわからんので(笑)。

せめる。 どこ連れてかれるかわからんって。そら家帰るよ(笑)。

――ゆくゆくはどういう芸人になっていきたいとか、理想はありますか?

まもる。 あります。

せめる。 僕は無形文化財になりたいです。

――それはすごい野望ですね。

せめる。 僕は夢路いとし・喜味こいし師匠が好きなんですけど、師匠方が大阪無形文化財に選ばれたということで、僕も最終目標はそこ。賞レースとかはそこにいくにあたっての通過点という感じですね。

まもる。 僕はNGKのトリ。それでNGKの正面入り口のところに看板飾られるのが夢です。やっぱ、関西から日本に認められたいな。漫才の価値観をもっと上げたいし、上げられると思うし。今は、いろんなお笑いの形があるけど、結局の根本はやっぱり漫才やから。

▲インタビュー中も漫才を見ているかのような軽妙なやり取りだった

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