音楽と蕎麦の気になる共通点とは…?
――つまらない質問で恐縮なんですが…(笑)、音楽と蕎麦の共通点ってあると思いますか?
池森 これまで1度も聞かれたことなかったです(笑)。でも、そう問われて考えると、自分にとってはどちらも意識せずに続けていること、かもしれないですね。
――なるほど。それは池森さんの活動を見て、今回改めて感じたことでした。しかも、池森さんは“毎日蕎麦を食べる”という変わったところと、ご自身を冷静に分析する俯瞰の視点のバランスがあって。それがきっとDEENが長年愛され続けている理由なのかなと感じました。
池森 それはあるかもしれないですね。DEENというのは、もともと当時のプロデューサーが作ってくれたバンドだったので、今でもメンバーはもちろん、スタッフも含め、DEENという大きな船に乗っていて、自分はその舵をどう取っていくか、という意識なんです。なので、少しでも客観性が失われるとうまくいかないのはわかっているので、自然と自分たちを俯瞰で見る目は養われていたと思いますね。
――特にお気に入りのレシピはありますか?
池森 (インタビュアーがチェックしたレシピを見ながら)あ、このベジタブルフォーそばを選んでるのはいいですね!
――本当ですか!?(笑) ありがとうございます。
池森 これは絶対オススメですね、コンビニにある食材だけで作れますし。これはベトナム料理のフォーをイメージして作ったのですが、そのまま掛け合わせてもおいしいものはできないんですよ。そこで、めんつゆの偉大さを知りますね、日本と海外のコラボの架け橋になっているのが“めんつゆ”です。
SOBA CAFEをFC化したい!
――最後に、今後の池森さんのやりたいこと、野望のようなものを、音楽と蕎麦の両面でお伺いしたいのですが。
池森 音楽でいうと、毎年やっているペースをどこまで変えずに、継続してやっていけるか、というのがひとつの目標なんです。来年で30周年を迎えるんですけど、活動休止もなければ、作品が出せなかったという年がないんです。それは、DEEN・スタッフ・ファン、このトライアングルの信頼関係がないとできないことだと思うので、とりあえず目の前の目標に向かって全力を出す、そこでいいものを見せないと次はないぞ、という気持ちでずっとやっています。
――たしかに、その信頼関係がないとできないことですよね。
池森 そうですね。蕎麦に関して言うと、今年の6月からお店(SOBA CAFE IKEMORI)を始めたのですが、ただこれは始まりに過ぎないと思っていて、最終的にはフランチャイズ展開して、世界進出したい。SOBA CAFEを一般的なものにしたいんです。絶対に海外の方々にウケるだろうな、と思っているので、今はフランチャイズ展開したときに、いかに妥協しないものを本部から提供できるか、その方法と技術を考えてますね。規模を広げたときに、クオリティが落ちてしまうのはよくある話なので。
――絵空事じゃなくて、実際に現実的なことまで考えているんですね。
池森 いつになるかはわからないけど、将来的には絶対に実現させたい。そして、その鮮度が落ちない技術とフランチャイズ募集を発表するときは、スティーブ・ジョブスみたいなスタイルでやりたいですね(笑)。
――あははは!(笑) いいですね。おいしい蕎麦を多くの人に食べてもらいたい、という発想が本当に素晴らしいと思います。単純にお金儲けだったら、品質にまでこだわらないですもんね。
池森 うん、やっぱりひとりでも多くの人に蕎麦の魅力を知ってもらいたいし、人間、夢がないとね。その夢が僕にとっては音楽と蕎麦だったんですよね。自分も、夢を追ってここまで来たので。
――素晴らしい、まさに『夢であるように』…!
池森 (笑)。