2007年、日本人で史上2人目のミス・ユニバース世界大会優勝者に輝いた森理世。その後は、モデル活動やチャリティ活動などをしながら、2009年に母とともに静岡にダンススクール「I.R.Mアカデミー」を設立。2018年、米国人男性と結婚し、昨年10月にアメリカで第一子を出産した。
現在はI.R.Mアカデミーで生徒の指導を行うほか、世界5大ミスコンテストの歴代日本代表の有志による社会貢献団体「5 Crowns Japan」を設立。その一環として、全国高校生プレゼンテーションキャンプ「GEM Talks」を開催し、日本の若い世代、特に女性の未来を応援するため、日夜活動を続けている。
日々多忙を極める彼女に、海外での妊娠・出産、そして子育てについて、さらに「5 Crowns Japan」などの活動について、話を聞いた。
コロナ禍での妊娠・出産。産後うつも経験
――現在、お子さんとともに一時帰国中とのことですが、日本ではどのような毎日を過ごしていますか?
森 実家のある静岡市に、母と私で運営する「I.R.Mアカデミー」がありますので、そこで生徒の指導をしたり、ワークショップをおこなったりしています。コロナ禍で2年間帰ってこれなかったので、そのぶんを日本にいるあいだに取り戻している状況です。
――地元・静岡は過ごしやすいですか?
森 新幹線や車に乗れば東京にもすぐ出られますし、広いし、空気はきれいだし、食べ物もおいしい。静岡人はゆったりしていて優しい人が多いので、地域に馴染みやすく暮らしやすいです。職場であるダンススタジオには子どもも連れて行き、レッスン中は信頼しているスタッフに見ていただいたりなどしています。でも、大人の様子が気になるようで、スタッフルームからすごい勢いでハイハイで出てきたり……。ときどき、子どもを抱きかかえながら教えることもあります(笑)。周りの方たちの理解に支えられながら、「みんなで育てている」というようなありがたい環境で過ごしています。
――妊娠・出産はアメリカで。コロナ禍なこともあり、大変だったのでは…?
森 コロナで新生児とともに飛行機で里帰りするのはリスクが高かったので、産後のいちばん大変な時期を一人で頑張っていたのですが、産後うつになってしまい……。けれど、向こうの先生たちは心構えやアドバイスがポジティブなものが多くて、先生の一言にとても助けられたりしました。
――どんな言葉が心に残っていますか?
森 本当にシンプルなんですけど「Are you OK?」。自分は大丈夫かどうかも考えずに頑張っていたので、それを言われたときに号泣してしまって。そこで「あ、自分は大丈夫じゃないな」と気づいて「I'm not OK」と答えたときに、そう言える環境ができてよかったと思いました。大丈夫じゃないときには、素直に助けを求めていいんだと知って、気が楽になりました。本当に、家族や地域の皆さんに助けられて、なんとか乗り越えられましたね。