最高の仲間に囲まれて

そして迎えた結婚式当日。事務所の後輩に受付をお願いして、控室でタキシードに着替える。白いドレスを着た彼女と一緒に親族で写真撮影を行う。これまで多くの舞台をこなしてきたが、自分の結婚式はまた別の緊張感があった。

「まもなく開宴です」と係の人に誘導されてドアの前に立つ。この向こうに本当に招待した人たちが来てくれてるのだろうか。中からは司会の若林が挨拶をしているのが聞こえた。

「新郎のTAIGAさんですが、この日の為に5キロダイエットされたそうです。新郎のダイエットってなかなか聞かないですよね」

ドア前で俺と嫁は緊張で顔がこわばっていたと思うが、会場は若林のおかげですでに温まっていた。よし、行くか!

「それでは新郎新婦の入場です!」

ドアがオープンすると、俺たち二人にスポットライトが当たる。会場は大きな拍手と歓声に包まれる。たくさんの仲間が来てくれているのを見て目頭が熱くなる。

何度も頭を下げながら会場を回り、来賓の皆さんに感謝を述べて着席するも、やはり緊張していたのか、転びそうになってしまった。若林はそんな俺を徹底的にいじって笑いにしてくれる。

この日は参列した人たちの前で愛を誓う人前式だった。「それでは牧師さんに入場していただきましょう」の言葉と同時に扉が開くと、そこには牧師姿をしているオードリー春日がいた。そう、司会担当の若林とは、もちろんオードリーの若林正恭だ。

「トゥース!」

春日の登場に会場が沸く。いつも通り胸を張ってゆっくりゆっくりと入場してくる春日を見て、嫁は大声で笑っている。

▲牧師姿で場を盛り上げてくれたオードリー春日

「時間が押してるんで牧師さん、もう少し急いでもらえます?」と若林。会場は大爆笑だ。永遠の愛を誓い合う儀式のあとも、無駄にゆっくりと退場する春日。若林がここぞとばかりにツッコんで、さらに笑いが起こる。

▲司会のオードリー若林のまわしで会場は大爆笑

主賓挨拶はサンミュージック相澤社長だ。芸能界の顔とも言える相澤社長に挨拶をお願いできたことで、嫁の親族やご友人にも顔が立った。そして乾杯のセレモニーへ。

「乾杯のご挨拶は天国からこちらの方が駆けつけてくださいました」

ドアが開くと、そこにはデカいブランデーグラスを持った石原裕次郎、ではなく、ゆうたろうさんが歌いながら登場する。年配の参列者はこれを見て大いに笑っていた。

▲ゆうたろうさんとオードリー春日と記念撮影

そして乾杯。歓談の時間になると、酒を片手に芸人仲間が次々と自分たちのところに挨拶に来てくれた。スギちゃん、ゆってぃさん、メイプル超合金などがくると、客席からもフラッシュがたかれて、まるでスターになったような気分だった。