国際大会の経験がある山田、強化試合で結果を残した牧

大谷や村上、吉田といった左打者が揃うなかで、鈴木と同様に右打者の奮起も必須だ。経験豊富な山田哲人や、強化試合で対応力の高さを見せた牧秀悟にも注目していきたい。

国際大会での経験値が高いのは山田だ。プレミア12では優勝を決める決勝ホームランを放ち、東京五輪の準決勝では勝ち越しのタイムリーツーベースを放った(いずれも韓国戦)。これで5大会連続の主要となる国際大会の出場となる。

能力的には、かつてトリプルスリーを達成した全盛期ほどの圧倒的な感じはないにしても、大事な試合や場面で打ってくれそうな期待感がある選手だ。このWBCでも得意の韓国戦を含めて、接戦時に試合を決める一打をみせてほしい。

昨年の強化試合で結果を残した牧からも目が離せない。強化試合ではホームランを放つなどの活躍を見せ、本職ではない一塁手でも好プレーを見せた。二塁手なら山田と、一塁手なら山川穂高とのレギュラー争いになるが、守らせるなら守備力という観点から一塁手として出場をさせたい。

長距離砲として期待される山川穂高・岡本和真

一次ラウンドから準々決勝まで東京ドーム主催ということもあり、一発攻勢にも期待できる2選手がいる。山川穂高と岡本和真だ。

山川は2018年と2019年、昨シーズンのパ・リーグ本塁打王である。さらに昨シーズンは打点王も獲得した。

初見の投手が多い国際大会では、前回大会のキューバ戦やイスラエル戦のように緊迫した試合の均衡を破るためにも、一発からの得点が鍵になる。

そのなかで、山川選手が求められる役割としては、6番か7番でフルスイングして相手投手にプレッシャーをかけたり、ホームランで得点をあげて、力を発揮してほしい選手だ。

岡本は2020年、2021年の2年連続で本塁打王と打点王に輝いた大砲だ。この岡本に関しても、勝負強さがあり、アジア勢にはうまく対応して長打が期待できる選手だ。

先日のスポーツ番組のインタビューでは「WBCの試合に出場するなら、本職ではない一塁手や外野手も守る」と意気込みを語っていた。

投手のレベルも考えると、一次ラウンドから準々決勝では重要な場面でのタイムリーや一発が出ることにも注目していきたい。

強みを活かす源田壮亮・周東佑京・中野拓夢・近藤健介

強打者が揃う一方で、足の速さや経験値の高さなどを活かす選手もいる。

源田壮亮は、強力打線の派手さが目立つなかでも小技や走塁のうまさが光る選手。守りの部分でも、球界トップクラスの守備力で日本チームのセンターラインを固めていきたいところだ。

周東佑京は、プレミア12の活躍が印象深いのではないだろうか。代走屋としての期待値も高いが、チームに怪我人が出た場合は、さまざまなポジションでも出場できる選手である。

プレミア12では二盗と三盗を決めて、源田のセーフティスクイズでホームインした。主力の打撃が振るわないときは、このような戦術にも活かされる選手だ。

中野拓夢は、今シーズンから二塁手にコンバートされる予定であるが、WBCでは源田のフォローを含めた内野のユーティリティや、代走としての役割も求められるだろう。

近藤健介は、プレミア12や東京五輪で世界一になった経験がある選手だ。基本的には指名打者、又は外野手として出場となるが、緊急時には捕手としての出場も考えられる。