世界最高の先発陣の調子は上々

これまでのWBCを振り返っても、今大会の先発陣は歴代最高峰といっても過言ではない。

先発陣の1次ラウンドの結果は下記である。

大谷翔平:1試合 1勝0敗 4回 5奪三振 防御率0.00  
ダルビッシュ有:1試合  1勝0敗  3回  1奪三振  防御率6.00
佐々木朗希:1試合  1勝0敗  3回⅔   8奪三振  防御率0.00
山本由伸:1試合  1勝0敗  4回  8奪三振  防御率0.00

最年長のダルビッシュ有は韓国打線に捕まるなど、調子がなかなか上がらなかった。

そのなかで、国際大会デビューをした佐々木朗希や東京五輪でエースとして活躍をした山本由伸は実力どおり相手打線を抑え、次の登板予定試合の準決勝・決勝に向けて期待できる結果に。

チェコ戦で先発した佐々木は、多少の力みはあったものの、160km/h以上のボールを連発。配球の影響からか、ストレートの割合が多かったものの、チェコ打線を抑えた。

さらに、平均球速で見ても160km/hを記録した。この数字は日本だけではなく、メジャーリーグでもトップクラスである。

昨年の強化試合ではボールに馴染めずに、圧倒的なピッチングは見られなかったが、この試合では21歳とは思えないマウンドさばきをみせた。

佐々木は現在地を見ても、投手として大谷翔平よりもポテンシャルの高さを感じられる。

プロ入り後は大事に育成されてきたが、シーズンを投げ切れる体力と投球術をさらに磨いていけば、国内だけではなくメジャーリーグでもトップクラスの成績を残せるだろう。

佐々木に関しては、このWBCで次回の登板も含め、さらに大きく成長することに期待したい。

オーストリア戦で先発した山本由伸は、4回を60球1安打8奪三振の完璧なピッチングを見せた。

バッテリーを組んだ中村悠平も、相手打者の反応をみての配球のバランスが素晴らしかった。このこともあり、多少の抜け球もオーストラリア打線は打ち損じていたのだろう。

また、山本由伸はフォーム変更から時間が浅いため不安材料もあったが、これまでの国際大会の経験も踏まえ、試合中にうまく対応できていた部分も大きかった。

佐々木と山本に関しては、この大会でメジャーのスカウトからの評価が、さらに上がっていくだろう。