リアル書店には書店員さんがいます。そして、電子書店にも“顔が見えない”書店員さんがいます。なかなか実態が見えない電子書店の“中の人”に、アレコレ聞いてみる『教えて!電子書店の“中の人”』。
今回は、2023年の8月で19周年目を迎える老舗電子書店「コミックシーモア」を運営する、NTTソルマーレ株式会社の須藤さんと石井さんにインタビューしました。
ユーザー同士で疑問を解決するカスタマーセルフ
――まずは自己紹介からお願いします。
須藤 NTTソルマーレ電子書籍事業部の須藤と申します、本日はよろしくお願いします。コミックシーモアのサイトサービス、キャンペーンの企画や費用の面など、主に企画業務の全般的なところを担当しています。
石井 同じくNTTソルマーレ電子書籍事業部の石井と申します。本日はよろしくお願いいたします。コミックシーモアのサイト運営業務にあたっておりまして、主にキャンペーン運用を行うチームに所属しております。
――それでは「コミックシーモア」の紹介をお願いします。
石井 「コミックシーモア」は、2004年からガラケー向けサービスとしてスタートしておりまして、今年の8月で19周年目を迎えます。コミックに限らず、小説・実用書なども販売しておりまして、現在は、100万冊を超える業界最大級のラインナップを揃える総合書店として運用しております。
――コミックシーモアさんは女性のお客様が多いイメージなんですが、弊社の書籍だと、女性タレントさんの写真集もよく売れている印象があります。最近、男女比や年齢層などに変化などありますか。
須藤 おっしゃる通り、もともとは女性のお客様に多く利用していただいてましたが、直近は広告の効果もあって、男性のお客様も増えてきています。
――CMがあると認知度がぐんと上がりますよね。では、特徴やアピールポイントなど他書店との違いを教えてください。
須藤 まずはキャンペーンですね。出版社様からいただくキャンペーンもそうですし、コミックシーモアのオリジナルキャンペーンを含めると月1,000本以上は実施しています。キャンペーンの量もそうですが、特にスタッフがそれぞれ独自観点で作っているオリジナル企画。漫画のおすすめ特集を作ったりとか、クイズとかミッション形式でポイントを貯めていただく「シーモアでポイ活」など、お客様に楽しんでいただけるような企画をご用意しております。
他社との違いという意味でいうと、2021年9月から「シーモア島」というコミュニティサービスの運営を開始しています。コミックシーモアのサイトに関することだけではなく、漫画の作品に関する疑問などを投稿しながら、お客様同士で盛り上がっていただける仕組みになっています。
〇コミュニティサイト「シーモア島」
コミックシーモアの使い方だけじゃなくて、「クーポンが出てるので、何かおすすめの漫画を教えてください」のような質問とか、コミックシーモアに関するご意見や疑問などをいただきながら、シーモアをより良くしていくための投稿をいただいています。
このシーモア島のお客様を「島民」って呼ばせていただいているんですけど、我々よりサービスに詳しいんじゃないかと思うくらいです。島民の皆様には情報発信もしていただいており、日々感謝しかございません。
――すごいですね、コミックシーモアさんも公式としてコメントしたりするんですか。
須藤 頻度はそれほど高くはないんですが、公式という形で定期的に「今年読んで面白かった漫画を教えてください」といった投稿をしています。
――そこから企画案が生まれたりもするんですか。
須藤 はい。キャンペーン企画やサイトの機能改善にも活用させていただいてます。
――拝見していると機能に対する質問もあって、これって誰が答えるんだろうと思っていたんですが、他の島民の人たちが答えてくれてたりもしてますね。
須藤 「カスタマーセルフ」と呼んでいるんですが、何か疑問だったり使い方がわからなかったときに、弊社のカスタマーにお問い合わせいただく方法もあるのですが、「シーモア島」でのお客様同士のやりとりで解決するほうがスピードが早かったりします。
――レビューもすごく充実してるなと思いました。レビューのランキングもついているし、レベルによってキャラクターの顔も違いますね。
〇レビューサイト「シーモアレビュー」
須藤 そうですね。弊社のキャラクター「ヨムビー」の顔などを使いながら、レビュアーという形でレビューを機能として入れることで、漫画好きのユーザーさん同士でつながれるような場所になればと思っています。