腸の活性化によりハイパフォーマンスを!
脳が感じるストレスが腸の不調を招く、という一方通行ではなく、腸のコンディション悪化が原因となり、脳に悪影響を与えることもある――双方向の流れがあるということから、この関連性を「脳腸循環(のうちょうじゅんかん)」と呼ぶようになりました。
では、悪循環を断ち切り、好循環を生み出すためには、どこから手をつければいいのでしょうか。さまざまなアプローチがありますが、私の答えは決まっています。
とにかく、まずは腸内環境を良くすることから始めましょう。そして次に、腸内環境が良い状態であり続けられるように、生活の習慣を「腸を最優先」に考えていきましょう。それに尽きるといっても過言ではありません。
「人間の考え方、性格はなかなか変えることができない」とよく言います。「三つ子の魂百まで」とも言いますが、たしかに人格の基本的な部分は、幼少の頃に決まってしまうというのはあるようです。
じつは、腸内細菌の構成、腸内フローラも、ほぼ生まれてしばらくのあいだで基本的な部分は決まってしまうと言われています。腸内細菌の種類や構成比は、それ以降、どんな食生活をしようとも、あまり変化しないことが研究の結果わかってきたからです。
ただし、細菌のシェアが変わらなくても、働き方は変わります。全体の7割を占める日和見菌が、善玉菌につくか、悪玉菌につくかは、生き方次第で変わるのです。ですから、私の「人の性格についての考え方」は、一般的なものとは少し違います。
「性格はなかなか変わらない」のではなく、「人は腸内環境を変えようとはなかなか思わない」――そう思っています。
腸内フローラを変えて、善玉菌が威力を発揮できるように変えればいい……結果、心身が健康になり自信がつき、考え方や性格も前向きになっていきます。つまり、性格や行動パターンは腸内フローラによって、ある程度は変えることができるのです。
私は今まで腸にトラブルを抱えた患者さんを多く診てきました。腸のトラブルを改善したことから、生き方が変わった例も数多く見ました。だから自信を持って言えます。
まずは「腸活」から始めましょう。それが、あなたの心身を健康にし、生き方を変えていきます。理想の体形も、仕事でのハイパフォーマンスもきっと実現できるはずです。