「空腹は病気の予防やダイエット、そして免疫力を上げる」と唱えるのはスーパードクターとして活躍する石原結實氏。暴飲暴食をしてしまったとき、風邪などでちょっとした体調不良のときなどは、無理のない範囲で「朝食抜き断食」を試してみる絶好のチャンスだと教えてくれました。

※本記事は、石原結實:著『やせる、若返る、病気にならない ちょい空腹がもたらす すごい力』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

日本人の大半は「食べすぎ=腹十二分」

さて、ここではみなさんにぜひ試していただきたい断食の実践編をご紹介します。

とはいえ、1日3食をよく噛んで、腹八分目だけ食べ、運動・労働で十分に体を動かし、現在心身ともに健康で、健康診断等でもまったく異常のない方に関しては無理に断食を試みる必要はないと思います。

そのような方はこれまで通り、自分に合った食生活を続けられるとよいでしょう。繰り返しになりますが、断食といっても大げさに考える必要はありません。自分にとって無理のない範囲で、できるだけ長く空腹状態をキープするだけで十分です。

その第一歩として私がいつもお勧めしているやり方があります。

それは、朝食を抜いてみることです。はっきり言って、朝から食欲のない人は朝食を食べる必要などまったくありません。また、朝から食欲があったとしても、現在「メタボ」をはじめ種々の病気で悩んでいる方は、一度思い切って朝食を抜いてみてください。

▲日本人の大半は「食べすぎ=腹十二分」 イメージ:PIXTA

現代の日本人は「食べすぎ=腹十二分」の方が大半です。

だからこそ、ガンや糖尿病、高血圧、痛風、脳卒中、心筋梗塞、不妊などの病気や体調不良に悩まされているのです。

朝食を抜けば、

腹十二分(3食)−腹四分(1食:朝食)=腹八分

でちょうどよくなります。

もちろん、昼食を抜いても夕食を抜いてもかまわないのですが、これまでさまざまな方々を診てきた経験からいうと、「朝食を抜く」のが最も断食生活を継続しやすい(ハードルが低い)と思います。

睡眠中は誰もが「断食」している

私がとくに朝食抜きをお勧めするのには、ちゃんとした理由があります。

というのも、朝は「吐く息が臭い」「目ヤニが多い」「鼻がつまる」「尿の色が濃い」など、排泄現象が活発な時間帯だからです。つまり、体ががんばって血をきれいにしている(血の汚れを排泄している)ということです。

寝ている時は誰もが「断食」をしています。

▲睡眠中は誰もが「断食」している イメージ:PIXTA

だから朝起きた時は排泄現象が活発なのです。ご存じの通り、朝食は英語でブレックファスト(Breakfast)と言います。これはFast(断食する)をBreak(やめる)という意味です。せっかく寝ながら「断食」し続けてきたのですから、それを利用してもう少し(昼食までの数時間)だけ「断食」を継続しない手はありません。