横浜F・マリノスがマンチェスター・シティを本気に!
そしてメンバー発表。シティは守備陣こそトレブルを成し遂げた主力メンバーですが、全体を見るとカップ戦くらいのメンツ。アップも和やかな雰囲気。
僕はシティの熱烈なファンであるあやてんさんに言いました。
「マリノスなら、このメンバー相手ならやるよ。」
そうです。Jリーグ最強のポゼッション。シティとはまた一味違う可変布陣。上から見ても捕まえ方がわからないほど流動的で独特な位置どり。
なめてかかれば、シティといえど1~2点奪ってもおかしくないクオリティと特殊さは持っています。
あやてんさんは
「さすがにそれはどうでしょうか」
と言いました。多くのシティファンは同じような反応をするでしょう。が、僕は本気でした。もちろん本気になったシティを見たいという希望的観測もありますが。
そして試合が始まります。試合はピッチサイドで見ることは叶わないため、スタジオ席でこの試合のMCのペナルティ・ヒデさんや槙野智章さんとともに観戦。
槙野さんに質問しながら、この試合を見られることのなんと贅沢なことか。
試合序盤のお互い相手の出方をうかがう展開ながらも、シティのポゼッションは巧みで、マリノスはなかなかJリーグのような猛プレスはかけれません。
僕は思いました。マリノスですら世界とこんな遠いのか?
槙野さんに質問したところ「『やられたら個人の責任だよ』ってチームで決めて、受け渡さずマンツーでついていく守備」という、相手に食いついたセンターバック2枚が、サイドバックより5mくらい高くなることもある台形ディフェンスラインを敷く、シティの異常な守備は衝撃でした。
しかし、意外なところに突破口を見出します。世界最強の対人の強さを持つシティの右SBカイル・ウォーカーを、マリノスのウイングを務めるエウベルが一度、二度とちぎって見せたのです。
ウォーカーのコンディションが整ってないとはいえ、インテルが来日したあの日のエメルソンのような衝撃でした。
ここからマリノスは徐々に自分たちらしさを出していくと、どこまで降りてもついてくる背後からのマークに前を向けることが少なかったアンデルソン・ロペスが、個人技で右サイドを崩してゴール。
さらに数分後、エウベルに一瞬熱くなってボールに食いつきすぎたウォーカーの背後をとったのは、マリノスのサイドバックを務める永戸勝也選手。シティの守備に歪みを生じさせた、この試合の影のキーマンです。
その永戸選手のアーリークロスをゴール前で合わせたのは、逆のサイドバックの松原健選手!
シティ見にきた人! マリノス面白いでしょ! この立ち位置、シティ好きなら絶対好きよね!?
と誇らしい気持ちになります。
しかし、シティはおそらくチームとしての決め事と思われる形で、狙い通りのストーンズ選手のゴール(この2試合通して、何度も繰り返していたパターンです)。
さらにマリノスのミスをついてすぐさま同点に。
同点で迎えたハーフタイム。
ピッチサイドで見たシティの選手たちの顔は、試合前のそれではありませんでした。ガチもガチ。試合前はファンにもにこやかにサービスしていましたが、もう全員ファンの声援ガン無視。これは熱い。
どうやらマリノス、世界一を本気にさせたぜ。
来週へ続きます。