天気予報はどのように予想している?

――気象予報士さんは、どうやってその日の天気を予想しているんですか?

今井 気象庁のコンピューターが天気を予測しているので、まずは「どう予測してるか?」を把握します。その予想と実際の実況(その時の天気)を照らし合わせて、少しずつズレを修正をしていきます。コンピューターも誤差があったり苦手な分野があったりするんです。ズレている部分があると「なんでズレているのか?」「どのくらいズレているのか?」を見て、ちょっとずつ修正をしていくといったかたちですね。

気象庁のコンピューターが算出した結果などは、数字など一般の方からすると見慣れないかたちで表現されています。それをわかりやすく嚙み砕いて翻訳するって感じでしょうか。

――そこにプラスして、ご自身の経験則も加えて皆さんにお伝えしているんですね。

今井 そうです。実例で言いますと、曇りの日、ちょっと雨が降るけど、曇りの時間が長いときは曇りマークのみで出たりするんです。でも「雨が降る曇り」と「雨が降らない曇り」は全然違うじゃないですか? そういうときは曇りマークに傘マークをつけて提供します。

あと、天気は統計なので、過去のデータを調べて同じ例がないか、この例と近しいけど、何が違っているのか? などをみています。

9月も酷暑の残暑が続く?

――今年の夏もですが、近年異常な暑さが続いています。この暑さは何月まで続きそうですか?

今井 9月まで続いてしまいそうです。酷暑の残暑が続いてしまう感じです。

――9月まで続いてしまう原因はなんなのでしょうか?

今井 日本の暑さは海が大きく影響しているんです。去年までは、インドネシア付近の海面水温が平年よりも高くなるラニーニャ現象というのが起きていて、それが起きると、日本に暑さをもたらす太平洋高気圧が強まり、猛暑になりやすいんですね。

今は反対に、インドネシア付近の海面水温が低くなるエルニーニョ現象に変わっています。ただ、スパッと変わるわけじゃなくて、だんだん変わるので、ラニーニャ現象の名残が日本に暑さをもたらして、9月も引き続き例年よりも暑い日が多くなりそうです。

――少し先になりますが、さすがに10月に入れば涼しくなるのでしょうか?

今井 それが10月も全国的に平年よりも気温が高くなる予想です。今年の秋は暖かそうですね。

 

――今年は台風の数も多くなるのでしょうか?

今井 台風の発生数は例年と比べて少なくなる予想ですが、日本に向かってくる台風の数が増えそうなんです。さらに、いつもよりも強い状態で日本にやってくる可能性が高いので、大きな被害をもたらす危険な台風が来るかもしれません。

――どういった要素で台風は勢力が強くなるのでしょうか?

今井 これもさまざまな現象などによって変わるのですが、今でいうと海面水温が非常に高いから、というのが挙げられます。

台風は暖かい海水からエネルギーをもらっているので、海面水温が高くなる現象が起きてしまうと、そのまま台風は強くなります。さらに、海面水温が高くなると気温も高くなる、気温が高くなると海面水温も高くなるので、どんどん台風が発達してしまい、強い勢力の台風になってしまうんです。今年の夏は、私たちにとってうれしくない現象が重なってしまっている状況ですね。

――危険な台風が来たとき、私たちはどのような行動をとればいいのでしょうか?

今井 台風が来ているときは、本当に外に出ないでいただきたいです。不要不急の外出は避けるのが一番です。

事前にできることとしては、よく言われていますが、ハザードマップをしっかり見ていただきたいですね。近年、台風や前線などによって、これまで経験したことがないような雨が降ることが多くなっています。

「何十年も住んでいるけど、こんなこと初めて」っておっしゃられる方もいますが、その言葉が出ているときって、もう災害が起きてしまっていることが多いんです。「もしものため」という気持ちでハザードマップを見て、「自分の家はどんな災害のリスクがあるのか?」ということは把握しておいていただきたいです。

お住まいの地域の姿も、どんどん変わっていると思います。道がアスファルトの舗装に変わると、水はけが悪くなり浸水のリスクが上がります。街も変わっているし、気候も今までと変わっているので、経験に頼らずお住まいの地域のリスクを確認していただきたいです。

過去の台風の進路などを見ていて思うのですが、「同じようなもの」はあっても「全く同じもの」ってなくて、過去の台風の経験がすべて生きることって少ないんです。スピードや大きさが違うので。台風においても「いつもの」が通用しないんです。