皆さま、はじめまして。昔のお菓子の本を集めたり作ってみたりしちゃったりしているBUNKOです。

皆さまは「フルーツポンチ」をご存じでしょうか?

「お誕生日会や給食で食べた覚えがある」
「パーティーで片隅に置いてあったような……」
「昔、謎の集まりで出てきた」
「私がフルーツポンチだ」

という方もおられると思います。

「は? フルーツポンチって?」と思った方も、徐々に思い出しましたでしょうか? そうです、それそれ、小学校の頃の給食や調理実習などで出会い、それから影も見えないまま大人になり、ちょっとした集まりやパーティーなどで「俺のこと覚えてる?」的にワケアリな感じで再会する、甘〜いシロップの中に果物が入ったアレです。

「ポンチ」? それとも「パンチ」?

そんな記憶の片隅に眠り、ある日いきなり心のスキマに入り込む「フルーツポンチ」。え? 「パンチ」じゃないかって? たしかに「パンチ」という名でご存じの方もいるかと思います。

どうやら「パンチ」という読み方は、お酒や香辛料、紅茶などを混ぜた飲み物のことをいい、それに果物を入れたりしたものが「ポンチ」になるようです。

しかし、昭和初期のレシピにはポンチをパンチと書かれていたり、パンチをポンチと書かれていたり、パンチだったりポンチだったりどっちがどっちだかわからなく……パンチポンチパンチポンチ……ムヒー!

ふうふう……結局、もともとは「パンチ」から「ポンチ」が派生したものなので、そんなに厳密に区分しなくていいようです。

そんな忘れていたのに気になるアイツ、「フルーツポンチ」のあれこれや、気になるレシピを作ったりしていきたいと思います。

最初は昭和初期のレシピ本、昭和12年『家庭で出来るお菓子の作り方』から「フルーツポンチ(は)」(いろはの「は」)を作ります。この本には数多くのフルーツポンチのレシピが掲載されており、「コーヒーポンチ」「アメリカ式フルーツポンチ」「變(かわ)りフルーツポンチ」など、この本だけでも11種類も載っています。

当時の日本は天火(コンロなどの上にのせて使用するオーブン)や、ケーキ型が手に入りにくく、代わりにビスケット缶や空き缶を用いたりしなければいけなかったりと、お菓子作りには敷居が高い時代でした。そのなかでフルーツポンチは、比較的に器具要らずで作りやすかったので種類も多かったのかもしれません。

▲『家庭で出来るお菓子の作り方五百種』昭和12年 主婦之友社発行  ※著者私物

手順は「金玉羹(きんぎょくかん)という甘い寒天」「生姜と砂糖を煮詰めた生姜シロップ」を作り、果物と混ぜるというもの。

「生姜を入れるの?」と思うかもしれませんが、「パンチ」は回教徒(イスラム教徒)から伝えられ、梵語で「五種類(果汁、ライム〈スパイス〉、砂糖、ラム酒、水)」(諸説あり)を指しているらしく、スパイスの生姜を入れるのは、むしろ基本なのかもしれません。

まずは砂糖と寒天で作る金玉羹を作ります。最近知りましたが、現在は「金玉羹」とは書かず「錦玉羹」と書くらしい。そらそうか……じゃあSNSなどで長きにわたり私はきん…………。

はうっっ! なんでもないです!

▲砂糖と水と寒天を煮たものを型に入れて冷やす
▲完成した金玉羹

プルップルにできました。1つ食べてみましたがシンプルな甘さが美味しい! 

▲生姜を入れ煮詰める

次は砂糖と生姜を煮詰めた生姜シロップ。煮る過程は地中海にいるような爽やかなジンジャーの香りが。地中海……には行ったことはないですが……。

この2つと果物を混ぜて、

▲フルーツポンチ(は)

「フルーツポンチ(は)」
材料:金玉羹 / 生姜シロップ / 林檎 / 夏蜜柑(今回は缶詰) / 櫻桃(缶詰) / バナナ

「金玉羹」
材料:寒天 / 砂糖

「水生姜シロップ」
材料:生姜 / 砂糖 / 水

出来上がりです! 見た目は予想以上に美味しそう! 本誌の絵では一杯ずつの盛り付けのようです。

さて実食! ふむふむ、味的にはまあまあかな……?  ん? だんだんと口の中が辛くなっていく……カッラ! 

▲舌がピリピリしてきた(涙)

食べていくと、だんだんと生姜の味が強くなり舌がピリピリしてきます。くっ……手作りドンパッチか……生姜と砂糖のシロップというと、ジンジャーエールや京都のひやしあめなど、ステキな生姜味を想像していた私がバカでした……さすが伝統は違う……ひい……イッタ~!