SNSで“ネオ昭和”という言葉を掲げるインフルエンサー・阪田マリン。バブルスーツに身を包み、レトロなライフスタイルを提供し続ける彼女のSNSは、一度見ると忘れられないインパクトを残す。昭和レトロがブームとなる前から昭和の良さを発信していた彼女は何者なのか? ニュースクランチのインタビューで、想像以上の昭和ガチっぷりに、彼女のことがもっと気になって、もっと好きになるだろう。

▲阪田マリン【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

芸能活動を始める前から「昭和」推し

――阪田さんが昭和レトロにハマったきっかけをお伺いできますか?

阪田 中学校2年生のときにおばあちゃんの家に行ったんですが、そこにレコードプレーヤーが置いてあったんです。おばあちゃんに聞いたら、レコードを置いて針を落として……と使い方を教えてくれて、音が鳴ったときにすごく感動したんです。「針1本でこんな音が鳴るんだ!」って。

――ちなみに、そのとき聞いたレコードは?

阪田 チェッカーズの『Song for U.S.A.』ですね。私のお父さんが持っていたものです。

――ファーストインパクトが良い曲ですね!

阪田 そうなんですよ。針を落とす場所によって全然違うのも、私にとっては魅力的でした。「針を内側に落とし過ぎや」とか言われたりして(笑)。そんなやりとりが発生するのもいいなと思ったのと、今は“あの曲を聞きたいな”と思ったら、サブスクとかですぐ聞けちゃいますよね。それはそれでいいんですけど、私はちゃんと手間をかけて1曲を聞くレコードのスタイルが、曲のありがたみを感じられていいなと思いました。

――阪田さんにとっては、手間のかかることに惹かれたんですね。先ほど、チェッカーズのお話もされてましたが、ほかに阪田さんが魅了されたミュージシャン、アーティストはいらっしゃいましたか?

阪田 そうですね……たくさんいすぎて難しいですけど、やはり百恵ちゃん、山口百恵さんは外せないですね。正直、最初は知らなかったんです。興味を持つようになって、曲を聴いたり、あとは『夜ヒット(夜のヒットスタジオ)』や『ベストテン(ザ・ベストテン)』を掘って見るようになって、桜田淳子さんもそこで知りました。

――どんどん深みにハマっていかれたんですね。

阪田 そうですね。百恵ちゃんって当時は“アイドル”って感じだったかもしれないんですけど、私には素晴らしいアーティストに見えたんです。曲ごとに表情も全然違う、悲しい表情もカッコいい表情もできる。こんなアイドル、今いないんじゃない!?って、一人で盛り上がってました。

――わかります。じゃあ、そのレコードからガラッと世界が変わった感じなんですね。

阪田 本当にそうです。それまでは売れてるミュージシャン、流行っていた音楽を聞いていたのが、レコードを聞いたことによって、過去を掘っていく楽しみに目覚めました。大阪の日本橋にレコードショップがたくさんあって、100円200円で買えるんです。当時はお小遣い制だったんで、その値段もありがたかったし、なによりたった100円でこんな大きいLPを手に入れられる喜び。サブスクだと味わえない所有物感ですよね、CDよりも存在感があるし(笑)。

――その頃から芸能活動はされていたんですか?

阪田 いえいえ全然! 学級委員長はやってましたが(笑)。

――(笑)。そうなんですね、てっきり活動されていたのかと思っていました。

阪田 昭和の曲が好きなただの中学生でした(笑)。

――そんな阪田さんを見て、ご両親はどんな反応だったんですか?

阪田 お母さんは韓国のアイドルが好きで「マリン、そんな昔の曲ばっか聞いてないで、私みたいに韓国アイドル好きになりなよ!」って言ってたんですけど、ふふふ。

――最高ですね。

阪田 でも、お父さんは昭和が大好きで「マリンはええ趣味してる、さすが俺の娘や!」みたいな(笑)。

――お父さんも微笑ましい。でも、そういう趣味だと、周りに話しの合う人は少なかったんじゃないですか?

阪田 そうですね、私もそういう昭和好きの趣味を隠さなかったので。今でも覚えているんですけど、私の通ってた高校ってマンモス校で全部で17組まであったんです。廊下を歩いてたら、すれ違いざまに全然知らない子から「あ、あの子あの子、変わってる子」って。喋ったこともないのに「はあ?」みたいな(笑)。でも、その反面「マリンの趣味、面白いね」って言ってくれる子もいて。半々でしたね。

――仕事につながるかもみたいな気持ちがあって、こういう趣味を公開する方もいると思うんです。それを否定はしないですけど、昭和レトロって言葉が流行る前から、それも中学生の頃からの趣味ということで、阪田さんのSNSを見ていると、そことは一線を画しているなって思います。

阪田 ありがとうございます! うれしいです。

――お部屋の写真とか最高でしたね、AKIRAのポスターとか貼ってあって。

阪田 (笑)。